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    「トラガール」活躍応援 自動車局総務課・神澤専門官

    2014年9月12日

     
     
     

     安倍内閣の掲げる成長戦略で、女性の活用が今後の柱と位置付けられ、注目されている。しかし、現場に目を向けると、まだまだ女性のライフワークに対する理解は乏しく、特に中小企業では受け入れが進んでいない。こうした現状を受け、本紙では国交省の「自動車運送事業等の人材の確保及び育成に向けたプロジェクトチーム」のメンバーであり、全国の女性ドライバーにヒアリング調査を行い、業界における女性の活躍を模索する自動車局総務課(貨物課兼務)の神澤直子専門官に話を聞いた。
     警察庁の「平成25年運転免許統計」および厚労省の「平成25年賃金構造基本統計調査」によると、運転免許保有女性(大/中/普)は約3500万人。女性トラックドライバー(同)は約2万3700人と、全体の0.1%にとどまっている(男性は1.9%)。


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     一方、大型免許を保有する女性は 13万4344人。そのうち女性ドライバーは8160人で、全体の6.1%となっている。免許取得数は多くても、ドライバー数が少ない現状に、「なにか大きなハードルがあるのだろう」と、神澤専門官は現場をまわり、直接女性ドライバーの声を聞くことにしたという。
     国交省自動車局によるヒアリング調査は、全ト協や各運輸局を通じ多くの女性ドライバーを雇用している全国の物流会社を対象に行われた。「〝都市部より地方のほうが免許取得率は高い〟というデータもあり、地方は女性ドライバーが多いと予想していた」という神澤専門官。課題は地域性よりもむしろ、輸送形態と荷物の種類にあった。神澤専門官が実感したのは、「ルート配送」、手積み手下しよりも「フォークリフト」の仕事。取扱荷種でみると、「食品」は、配送先のスーパーや小売店に女性スタッフが多いことから、受け入れやすい傾向にあるようだ。
     また、子育てをしながら働く女性、特にシングルマザーの声も聞いている。「中距離以上になると会社や周りの人の手助けが必須」「会社に頼んで短距離便を担当させてもらっている」「子どもは両親に預けている」など、周囲の支援を受けなければ就労を続けられないという状況に、女性ドライバーが無理なく働ける環境を整えるため、同局としても、「中小トラック運送事業者による〝中継輸送ネットワーク〟が有効ではないか」と考えている。情報システムにより、車両手配と荷物情報などを共有し、事業者間のマッチングを行うという構想で、導入にはシステム面も含め課題は山積しているが、「できる団体から取り組んでもらい、そこで一つのモデル事例ができれば、全国に波及させていきたい」という。
     第2回有識者懇によると、女性の採用について、運送事業者は「安全運転の面で不安」「荷役を1人でこなせないのではないか」「休息室など新たなコスト増」「結婚や出産を機に入社しても数年でやめてしまうのでは」との不安を感じているという。実際に、 「何社も電話をかけたが女性であることを理由に断られてしまった」という女性が多数いたそうだ。もちろん、建材や鉄骨の長尺物など、女性が1人で作業を行うには難しい荷物もある。しかし、「本当にこの仕事は男性でないとできないものなのかどうか、今一度考えてみてほしい。これは社内業務を見直すきっかけにもなるはず」と神澤専門官は話している。
     さらに同調査では、荷主の理解も得られにくいという実態が明らかになった。「荷主から怒られたという話を聞いている。『荷下ろしに時間がかかりすぎ』『のろのろして見える』など感覚的な回答が多かった。しかし、本当にそうなのか」と神澤専門官。国交省としては、パートナーシップ会議などを通じて理解促進に努めるほか、まだ構想段階ではあるが、〝女性ドライバーについて考えるシンポジウム〟の開催も考えている。「女性ドライバーの雇用に『賛成派』『反対派』に分かれて意見交換をしていただく。荷主や一般消費者も参加できるようにしたい」。
     もちろん、「女性の方が丁寧な運転をしているのではないか」「女性ドライバーの方が細やかな気遣いができる傾向にあり、取引先からも総じて高い評価を得ている」という声もあり、女性ドライバーが社内の活性化につながっているケースもある。
     人材確保が困難な時世。10、20年先を考えれば、門前払いするのではなく、自社の中でどう女性を生かしていくのかを考えなければならない。
     今後の具体的な取り組みとして、7月4日に行われた「第3回有識者懇」のとりまとめで示されたのは、トラガールサイトの創設。全国の現役トラガールをインタビューし、自動車局HP内で活躍する姿を紹介するとともに、女性の活躍のフィールドの広さや、仕事の魅力をPR。免許の取得などトラガールになるために必要なこと、女性のライフイベントに合わせた柔軟な働き方を提案していく。
     また、多くの経営者が抱くトラガールに対するマイナスイメージを払拭するため、すでに女性ドライバーが活躍している事業所の経営者の声を収集し、パンフレットにまとめ、セミナーなどで啓発。女性ドライバーに対する取引先からの評価についても発信していくという。
     「運送事業者が高校などに出向いて出前講座をすると、HPのアクセス数がぐんと上がるようです。さらに、〝トラガール〟の愛称をPRしてメディアに取り上げられるようになれば、個々の事業者へのアクセス数も増えるのでは」と期待を示す同専門官。
     「特効薬はないが、地道に一つひとつ取り組む中で良い方策が見つかり、良い結果を生む。そのためにできることは何でもやりたい」と同専門官は前向きだ。
    ◎関連リンク→ 国土交通省

     
     
     
     
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