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物流ニュース
運送会社の前職は?ドライバー経験者多数
2014年11月11日
「オヤジが運送会社の社長で、自らも学校を出てすぐにトラックに乗った。その後、配車係を経て経営者になった」というのは愛知県の運送事業者。運送会社の経営者には、こういった〝2世〟も多いが、異業種から参入してきた経営者も存在する。今回は、経営者の「前職」について話を聞いた。
「前職は工場を経営していた。高度経済成長の波に乗って売り上げを順調に伸ばしていたが、あるとき突然、売れなくなった」というのは三重県の運送事業者。「その当時、一番儲かると思った運送業に乗り換えた」という。しかし、「運送会社も儲からなくなった。ダメになったら、次の仕事を考える。従業員のためにも、儲かる仕事を見つけなければならない」と話す。
愛知県の運送事業者は、「事業の失敗で借金を背負い、トラックドライバーになった」とし、「当時は走れば走るだけお金になった。死にものぐるいで働いて借金を返済し、運送会社を経営するまでになった」という。
また、同県の別の若手運送会社社長は、「20代前半に運送業界に入ったがすぐに辞め、コピー機やデジタルフォンなどを扱う通信機器の会社に入社した。主に法人営業を担当して好成績をおさめていたが、縁あって運送業界に戻ってきた」と振り返る。
同県の別の運送会社社長は以前、ピアノ教師をしていたという。「現在は運送会社の社長をしているが、当時は夢にも思っていなかったこと。しかし、教師時代の経験(人に対する気遣いや配慮)が社員への接し方や教育などに生かされている。どんな仕事でも〝人〟とのつながりが重要」と語る。
そして、意外に多いのが元競輪選手などのスポーツ選手だ。
「東京のスポーツ選手が、現役引退後に家業の運送業を継いでいる」「福井県に在籍しているスポーツ選手は家が運送業を営んでおり、選手生活の状態によっては継ぐ可能性もあるようだ」など、家業が運送業を営んでいる所が多く、引退後に受け継ぐケースがあるようだ。
しかし、大半を占めるのはドライバーから独立するケースだ。
「若い頃からハンドルを握っており、自分の会社を持つのが夢だった。今では小さいながらも会社を設立し、社長業をしている。若い頃に築いた人脈が大いに役立った」と、愛知県の運送事業者は話す。
「20代の頃は建設現場で働いたり、肉体労働を転々としていた」と話すのは、同県の別の運送事業者。「アルバイトも含めて多くの仕事をしてきたが、上司や同僚とうまくいかず、どの仕事もあまり長く続かなかった」。そこで、「自分で何かやるしかない」と思い立ち、現在の運送会社を立ち上げたという。
「最初は経営が大変だったが、建設現場で働いているときに比べれば、自分の思うように働けるのが良かった。経営の方が向いていたのかも」と話す。
また、同県の別の運送事業者は「大学を出てすぐに銀行に就職した」とし、「事務作業や営業など、得意先を回るのも嫌いじゃなかった。様々な業界の経営者と話す機会があり、ためになることも多く、当時はこのまま銀行員をやっていくと思っていた」という。
しかし、社会人になったことで、それまで深く考えていなかった運送会社の社長である父と、その会社に興味が出てきたという。
「父に『会社で働きたい』と伝えると、すんなり受け入れてくれた。それからは、仕事に慣れるために一から懸命に働き、現在は父の後を継いで経営者となった」と話す。この記事へのコメント
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