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    キングジム・宮本常務 「物流は『足』が重要」

    2014年12月18日

     
     
     

     物流の核となるのは運送事業者―。
    文具大手メーカーのキングジム(宮本彰社長、東京都千代田区)で約30年間、物流部門に従事してきた物流本部長兼情報システム部担当の宮本英晴常務はこう語る。「製品を保管するのは一時的だ。倉庫から運び出す『足』がなければ、流通することはできない。しかも、その『足』には柔軟な対応が求められる」。物流は「足」が重要という同氏の言葉から、今後の運送事業者のあり方を考えていきたい。
     キングジムの製品のほとんどは、国内の代理店向けに出荷される。物流センターは東京のほか大阪・名古屋・北海道、そして元配機能として葛西(東京都江戸川区)に倉庫がある。生産拠点はほぼ海外にシフトしていて、主力のファイル製品の多くはベトナム・インドネシアの工場から輸入する形式をとっている。しかし、日本から遠いため、納期が不安定になりやすいのが課題だった。「普通なら7日間で到着するものが、うまくトランシップできないと15日かかることもあった」と宮本常務。納期の不安定さを解消するため、一連の物流の流れを可視化できるシステムを持った船会社の物流子会社に海外業務を委託した。


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     従来は「現地のフォワーダー」「船会社」「日本国内のフォワーダー」が、ばらばらで情報が入ってこなかった。現在は、いつ現地を船が出港したのか、いつ日本に到着するのかが、Web上でいつでも見られるようになっている。
     「納品日が予定より1週間ずれることを当日知った、などということがあれば、お客様に迷惑をかけてしまう。船が出るときに分かっていれば、お客様は納得してくれる」。輸入業務に関してもしっかりと納期管理ができるようになった。
     一方、国内では東日本大震災以降、建設業に人材が流出するなどドライバー不足が深刻化。消費増税の際には輸入品がどんどん国内に入ってきて、コンテナを運ぶドレージ事業者は車両不足に陥った。しかし、物流の見える化を進めていた同社は1か月前から納期を確認し、ドレージ事業者を先に押さえることができた。システムの導入は国内にもメリットをもたらした。
     船会社を選ぶ決め手は物流の「足」を持っているところにあったが、国内輸送も例外ではなく、倉庫については運送会社の持つ倉庫を利用している。以前は、文具卸向けの配送が9割以上を占め、配送先が小口分散化されていたため、狭い道を通れる2トン車で赤坂を中心に半径30キロ圏内を配送していた。しかし、近年は流通経路が変わり、顧客が大量仕入れを行う通販・量販になった。トラックも4トン車になり、多くの商品を一括して運べるようになった。「当初、契約していた車両では間に合わず、どうしても車が足りないというときに、1台でも多く増車してほしいとお願いした。その要望に応えてくれて本当に助かった」。「倉庫は運送会社の持つ倉庫」という判断は間違っていなかったと、宮本常務が実感した瞬間だった。
     物流会社の倉庫を活用するメリットはほかにもある。集荷の作業が不要なため、効率化にも貢献できるということだ。また、路線事業者のターミナルを利用すれば24時間受付可能なため、エンジンのかけっぱなしによる公害や荷待ち時間発生の心配がないという。ドライバーの負担減にもつながっている。
     出荷の明細などを管理する物流EDIの導入も早い時期から進めていた。「運送会社で多くを占めるのは人件費。事務職員が1日に引き受けた送り状の伝票入力の手間・時間・コストを考えて、どうするのがベストなのかを問うた。物流業務は手仕事が多いので、少しでも業務の負担軽減になるならと賛成してくれた」と宮本常務が話すように、良い関係を築くためにはお互いにメリットがあるように落とし込んでいく作業が必要で、円滑な物流業務の実現は同社と物流事業者間の協力体制に裏付けられている。
     年末年始に向け繁忙期がやってくる。トラックを必要としているまさにその時、相手を突き動かすことができるのは、どんな最新の技術でもなく、人の心であるということを宮本常務は強調している。物流事業者も同様に最高のビジネスパートナーであり続けるために自らは何ができるのか、今一度考えてみてほしい点を示唆している。
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    ◎関連リンク→ 株式会社キングジム

     
     
     
     
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