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    埼玉県 空コンテナの削減を後押し、SCRU発足

    2014年10月23日

     
     
     

     埼玉県都市整備部は10月21日、「埼玉県コンテナラウンドユース推進協議会(SCRU)」を発足させた。港湾周辺の交通渋滞や恒常化する長時間の荷待ちは、物流に関わる者にとどまらず社会問題化している。トラック業界の人材不足にも拍車をかけているとされる港湾を取り巻く課題を、「空コンテナの削減」を行政が後押しするかたちで是正していこうという今回の取り組み。「ラウンドユースを推進し、県内企業の物流の活性化を図る」という趣旨のもと、荷主、トラック事業者、船会社などで組織された同協議会の今後の発展が期待されている。
     平成22年に国交省から国際コンテナ戦略港に指定された京浜港。ここから埼玉県内に入ってくるコンテナは、20フィート換算で輸出入を合わせ年間約70万個に上る。5年前と比べると、7割増という全国でも飛び抜けた増加率だという。県内では圏央道の開通が進むに従い企業の転入も増加しており、今後一層、京浜港とのつながりが深まると県担当者はみている。


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     議長の古里実副埼玉県都市整備部部長は、「背景には企業の誘致と雇用の創出につなげたいとの意図がある」とした上で、「企業間ではマッチングが難しく、空コンテナの削減がなかなか進まない現状があり、行政の関与を期待する声をいただいたことも協議会設立の動力となった」と話す。
     活動の核となるのは、共同体(グループ)によるラウンドユースの支援だ。共同体とは、コンテナを共同利用する輸出貨物と輸入貨物の荷主企業と物流事業者などで構成された、実際にラウンドユースを実施する企業集団を指す。「これまでネックとなっていた船会社との契約の問題や、ラウンドユースにすれば輸送費用が半額になるといった荷主の間違った理解を、協議会での意見交換によって是正」することで、共同体の活性化を図る。
     この日、第1号の共同体として、レンゴー、ニトリ、国際紙パルプ商事、八潮運輸の取り組みが紹介された。八潮運輸の宮地宙社長(下写真)は「今回、新たにニトリから輸入貨物をいただくことでラウンドユースが可能になった」と説明。「荷主企業にとっては安定したドレージの確保とコストメリットがあり、運送業者にも往復で仕事ができるというメリットがある。さらに、CO2の削減、交通渋滞の解消と環境面にも効果がある」と、ラウンドユースについて「行政が後押ししてくれるのを追い風に、より力を入れていきたい」とした。
     また、実際にラウンドユースを行う上でネックとなる保険の問題も、構成員となっている保険会社への働き掛けでクリアした。
     同協議会では今後、社会実験の結果をまとめるとともに、共同体との意見交換を行い支援方策と社会実験の継続を検討するとしている。第2回の開催は3月20日を予定し、より多くの企業に参加を呼び掛けて行くという。
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    ■ラウンドユース実施状況 報告事業者を募集
     SCRUはラウンドユースの実施状況を報告する事業者の募集を開始。
     対象となるのは、SCRUの構成員で、「20フィートまたは40フィートの輸入コンテナを荷下ろし後、輸出コンテナとして積載し継続的に利用したもの」で、目的地、出発地のどちらかが埼玉県内であるもの。対象期間は、11月1日から来年1月31日までの3か月間で、片道を1報告とカウントし、1件につき3000円がデータ取得費として報告者に支払われる。同一報告者における支払い上限は100万円。報告締め切りは来年2月13日(必着)。

     
     
     
     

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