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    天気予報で物流を変える 製・配・販が協業

    2014年12月16日

     
     
     

     日本気象協会(東京都豊島区)は、天気予報で物流を変える取り組みとして「需要予測の精度向上による食品ロス削減及び省エネ物流プロジェクト」を開始した。同協会が気象情報を核として高度な需要予測を行った上で、食品メーカー、卸、小売と需要予測の情報を共有し、業界全体で食品ロス削減を目指す。
     同協会防災ソリューション事業部の中野俊夫技師は、「農水省や経産省が製・配・販を合わせた形で物流最適化の構築を進めているが、気象情報を活用することでこれに貢献したい」とプロジェクト立ち上げの経緯を説明。「天気は経済、特に購買行動に非常に影響があるにも関わらず、これまではあまり活用されてこなかった」と指摘した上で、「小売り単体ではなく、製・配・販がそろって効率化していこうという動きの中であれば、これまで以上の貢献ができるはず」と話す。


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     従来は、製・配・販の各社が気象情報やPOSデータなどに基づき、それぞれが独自に需要予測を実施していたが、「予測で用いるデータは十分に共有されているとは言えず、各流通段階で生産量や注文量の予測に誤差が生まれ、結果、廃棄や返品などのロスが生じていた」という。
     そこで、同プロジェクトでは、同協会が気象情報に加えてPOSデータなどのビッグデータも解析し、高度な需要予測を行ったうえで各社に情報提供。食品ロスの削減と、返品・返送、回収、廃棄、リサイクルなどで不要に発生している二酸化炭素の削減を目指す。製・配・販を気象情報でつなぎ、協業してムダを削減する事業は国内で初めての試み。同事業は経産省の「平成26年度次世代物流システム構築事業費補助金」で採択されている。
     事業初年度となる26年度は、対象地域を関東地方、対象商品を豆腐と麺つゆ・鍋つゆの2品目に絞って展開。豆腐は気象状況によって売り上げの変化が大きいとされる日配品の代表として、麺つゆ・鍋つゆは、賞味期限は長いものの、特定の季節に需要が集中する季節商品の代表として選択された。
     豆腐は相模屋食料(群馬県前橋市)、麺つゆ・鍋つゆはミツカン(愛知県半田市)が食品メーカーとして参加。卸からは国分(東京都中央区)、小売りはココカラファインヘルスケア(横浜市港北区)と国分グローサーズチェーン(東京都中央区)が同事業に取り組む。
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     中野氏は、「日配品の中でも、豆腐は牛乳、パンと並んで廃棄が多い商品。生産に時間がかかるため、見込み生産せざるを得ない。予測が外れれば廃棄も増える」と指摘。しかも、「需要ではなく小売店からの注文量を予測して作るため、その誤差がたまっていけばロスも多くなる」という。そこで、同プロジェクトの取り組みでは「小売りとメーカー、それぞれに情報を出すことで、誤差を修正する」ことを目指す。
     一方、「麺つゆ・鍋つゆも、数度の気温差で売り上げが大きく左右されるが、長期予測などを活用することで誤差を是正していく」という。鍋つゆなどの季節品は卸の在庫が最適化されないケースもあるため、メーカー・卸間での情報共有も進めていく。
     「ゆくゆくは、降雨や急激な温度変化によって、どれだけ売れ行きが変わるのかを具体的に数値化し、経験の少ないアルバイトスタッフが発注業務を行う場合にも、簡単に最適な個数が分かるような形にしたい」という。同様のデータがメーカーにも渡ることで生産計画に生かされ、「適正な生産と出荷につながる」とし、「卸の業務も効率化されるはず」と話す。
     まずはメーカーと小売り間での連携を深め、次のステップとして卸との連携も図っていく構え。「品目も、参加メーカーと相談しながら徐々に増やしていく予定」で、牛乳、総菜、寿司、揚げ物、乾麺、アイス、練り物、ビール、ホットコーヒーなどが候補に上がっている。
     12月の委員会でこれまでの取り組みをまとめ、プロジェクト2年目、3年目以降へつなげていく。中野氏は、「最終的にはシステムも構築し、情報を発信しながら最適化に貢献できるところまで持っていきたい」と話す。
    ◎関連リンク→ 一般財団法人日本気象協会

     
     
     
     
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