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    徹底した管理体制強化「荷主主導の物流」

    2015年1月16日

     
     
     

     荷主側の管理体制強化が進んでいる。物流改革の一環として、運送事業者の配車管理やドライバー教育にまで管理の徹底を図るという動きだ。こうしたケースでは、事業者側の裁量がほとんどない場合が多く、利幅がなくうまみが少ない。しかし一方で、事業者側の管理や教育の手間が省けるとともに仕事が安定するというメリットがある。現場では賛否両論だが、運送会社としてのあり方が問われる事案ともいえる。車両不足やコンプライアンスの徹底を背景に今後、こうした傾向が進む可能性も指摘されるだけに、事業者にとってはあり方を含めた心構えや準備が求められる。
     大手生活雑貨メーカーでは、5年ほど前から物流を根本から見直す改革に取り組んできた。計画から現場監督までを担当してきた物流部部長は、「システムを変えて効率化を進める中で、物流事業者との契約のあり方も見直した」と話す。元請け事業者に一任していた構内作業と配送の手配を分離し、「毎日、本部が台数を決め、運送会社に直接発注する形に変更した」という。


     これに際し、同社では納品先との折衝を行い、着時間に幅を持たせるなど製品を満載したトラックが効率の良いルートで配送できる環境を整えた。「確定情報をいち早く事業者と共有し、トラックの台数まで管理することで、積載効率をトータルで上げていける」と、同部長は指摘する。
     また、「配車まで指定している」という建築資材メーカーの物流担当者は、「建設現場への納品は、着時間の指定が厳しいため、こちらで配車したファクスを毎日、各事業者に流して配送してもらっている。こちらの意図で最大限に動いてもらいたいので、配車は任せられない」と本音を漏らす。
     まとまった物量を安定的に出荷しているメーカーでは、決まった納品先に同じルートで配送する場合も多く、「コース指定」や「配車組み」を荷主側が行う例も多い。さらに、ドライバーの教育まで担う荷主もいる。
     大手小売業の物流子会社では、「協力会社の常用ドライバーを対象にエコドライブの表彰制度を設けている」という。常用トラック全車に指定のデジタコを取り付け、同社主導でドライバー管理を行っている。「目下、改革の最中」というメーカーの物流部長は、「コスト管理はもちろんだが、人材不足も大きい」とし、トラック事業者の管理を行うことで「事業者との関係を深くし、離れられない関係を築きたいという意図があるのも事実」と打ち明ける。
     こうした荷主主導の管理に対し、流通大手を荷主に配送を担当している東京都内の事業者は、「荷主の厳しいルールを守るうち、ドライバーが成長していた」という。「分単位の時間指定を守って配送することはもちろん、荷受けや納品時のあいさつやマナーまでマニュアル化され、守られなければドライバーに厳しい指導がある」という荷主の下で、「品質は確実に上がっている」と話す。
     管理体制の整った荷主と付き合う事業者は、「車を預けているのと同じで手間がない」「儲けは少ないが安定した収入になる」「ドライバーの教育まで荷主がしてくれる」と、メリットと捉える事業者も少なくない。しかし、荷主に依存した事業者のあり方を懸念する声もある。
     都内の事業者は、「知り合いの同業他社は管理するタイプの大手荷主に車両の7割強を依存していたため、撤退することもできず、薄利に耐え切れず倒産した」と話し、荷主の管理体制強化を疑問視する。埼玉県で食品輸送を手掛ける事業者は、「安定のため定期の仕事を増やしてきたが、5割以上にはしたくない」と話す。理由は、「荷主が指定するコースでは、労働時間の問題から終わった後に別の仕事をつけるわけにもいかない」と、事業者の裁量で配車を大幅に変更したり、ほかの仕事と組み合わせたりする余地がなくなる。「一か月の利益は決まってくるし、薄利は避けられない」という。さらに、「専用車両や指定の車載器を導入しなければならないところもあり、経費もすべてチェック済みとなると、正直つらい」と打ち明ける。
     従来、「物流は本筋ではない」として物流を丸投げしていた荷主も、コスト削減や車両不足、そしてコンプライアンスの徹底といった課題に対応するため、管理体制を強めているのが実情だ。「管理が楽」「安定した仕事」というメリットと、「裁量がなくなる」「依存度が高まる」というデメリットやリスクに対し、現場では賛否両論あるが、今後、深刻化する車両不足も背景に管理強化の動きを強める荷主が増えていくことも考えられる。

     
     
     
     
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