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    女性活用の取り組み 運輸業特有の要因が障害に

    2015年1月23日

     
     
     

     女性トラックドライバーの活用が課題になっている運送業界だが、札幌商工会議所が昨年7〜8月に実施した「中小企業における女性の活躍促進のための取り組み実態調査」によると、「女性が活躍できる職場づくりを意識して、具体的な取り組みを行っている」と回答したのは、運輸業では18.8%となり、建設業と並んで最も低い割合を示した。
     また、「取り組んでいない」との回答は運輸業で64.6%にのぼり、理由として「業務が忙しく、取り組む余裕がないため」が3割、「女性活躍の必要性を感じないため」が2割、「女性活躍のための手法がわからないため」が1割を占め、いずれも他業種に比べ高い水準となった。


     同調査で「女性の活躍推進に関する取り組みにおける課題」への回答を見ると、運輸業は他業種とは異なった傾向があることがわかる。多くの業種で回答が多かった「家事や育児の負担を考慮する必要がある」「結婚や出産で退職する女性が多い」と捉えている事業者の割合は他業種よりも低く、「女性が就ける業務が限られている」「休業した場合に代替要員の確保が難しい」「残業・出張・転勤をさせにくい」といった要因の割合が高い。「力仕事」「不規則で長時間の勤務」といった運送業界特有の事情によって、女性の積極的な活用にまで意識がいたっていないことが見えてくる。
     実際に道央圏で女性ドライバーの活用を積極的に手掛けてきた運送事業者は「女性の進出がほとんどなかった昔は、現場の評判はさんざんだったが、時代が経つにつれて風潮も変わってきた。企業イメージがアップし、マスコミの取材を受けたこともあった」と話すものの、「だからといって、これが営業面に寄与したかといえば、そうではなかった」と振り返る。それでも、「今は女性の方が根性がある。物腰も柔らかいので現場での受けもいい。コンビニ配送などの業務は、朝は早いが時間が決まっているので女性に適している」として、現在も女性の活用を続けている。
     一方、以前は多数の女性ドライバーを採用していたが、現在はごく少数に留めているという事業者は、初めて女性ドライバーを採用した際、「事務所の更衣室、トイレの改修のほか、女性でも使いやすいキャビンを発注するなどの費用がかかった」という。だが、それよりも女性の採用を控えるようになったのは「男と比べてグループをつくる傾向があり、これが社内に見えない壁をつくり、全社的なコミュニケーションがスムーズに行かなくなった。また、現場などで手伝いをしてもらえることが多かったため、仕事も横着になっていった」と説明し、当面は積極的な女性の採用を考えてはいないという。

     
     
     
     

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