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物流ニュース
サンライズ工業 卓越した技術で業容拡大、オール自社便で対応
2015年2月5日
平成19年の「元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれたサンライズ工業(兵庫県神崎郡市川町)は、平石正人氏(現・代表取締役会長)が昭和49年にポイント生産会社として創業。それから丸40年となった現在、国内7社と八つの海外法人を持つ年商150億円超の企業グループとなっている。近年は主力のカーエアコン用ホースの口金具に加え、卓越した精密加工技術でエアバッグ関連部品などへも業容を拡大している。
自動車が軽量化するなかで、他社に先がけてカーエアコン用ホースの口金具のアルミ化に取り組んできた同社。なかでも口金具とパイプの接合技術は高く、漏れによるエアコンガスの補充が不要になったのは、ある意味で同社製品のおかげともいえる。自動車メーカーが世界同時販売を展開するなかで、同社もマレーシアやタイ、中国、インドなど6か国に構えた事業拠点で国際標準をターゲットにした品質や納期、コスト、サービスの充実化を図っている。
一方、国内では物流部門を担うサンライズ運輸倉庫を平成元年に設立。「1次、2次メーカーの県内工場に向けてエアコンの配管を輸送するのがメーン業務で、それまでは自家用のトラックでこなしていた」とメーカーに籍を置きつつ、物流子会社の常務として実質的な責任者を務める松井洋一氏。
荷主と運送会社の双方の立場を合わせ持っているが、納品先もまた荷主。「安全・安心に、決められたルールを守って運ぶという基本は共通したもの。製造にしても物流にしても、そのための人づくりが重要ということも同じテーマ。そうした視点で計画的かつ、継続的な人材教育をめざしている」(同)と話す。
「納品先から『おたくの会社は、おたくのトラックが来てくれるから安心だ』といわれることで、こだわるようになる」と、域内輸送が中心となる従来の業務はオール自社便で対応してきた。ただ、11月から中部地方の工場へ部品を配送する新規の取引が始まるなど、これまでとは違った物流計画の提案にも直面している。
「1日に2パレット程度だと特積み事業者に依頼できても、それ以上に量が増えれば難しい。かといって大型トラックを毎日走らせるほどでもないなかで、出荷量や納入のタイミングを最適な形で組める方法を模索した」(同)。また、納品先の保管スペースの問題も踏まえ、「手始めとして納品代行のスタイルで中部方面の倉庫会社に協力を求めることにした」という。さらに今後、「物流の効率化・合理化を図るうえで運輸の子会社が同業者間での協力体制を構築していく必要性も出てくるだろう」と見ている。
◎関連リンク→ サンライズ工業株式会社この記事へのコメント
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