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物流ニュース
Q配サービス サービス業への転換がカギ
2015年1月14日
全国に50以上の拠点を構え、企業向けに配送業務のアウトソーシングを提案するQ配サービス(大阪市淀川区)は、昨年6月の株主総会で青木一良氏が新社長に就任した。自ら率先して新たな分野を開拓するフロンティア精神の持ち主である青木氏に、今後の意気込みや現状の課題などについて話を聞いた。
青木氏は、もともとBy─Qグループで航空事業やビジネストータルサポート事業を展開するシャトル(東京都大田区)の代表を務めていた。今回、Q配サービス社長に就任したが、大幅に方向性を変えることは現状では考えていないという。「今までの良いものは残していく。地方には地方のやり方があるので、都市部のやり方を押し付けてもうまくはいかない。支店の主管となるエリア責任者に、ある程度は仕事を任せているが、私自身がそれぞれ地域を回り特性や現場を見て、課題があれば随時解決していきたい」。
先を見据えて事業拡大していくとし、「枝葉末節の部分まで把握できていないのが実情だが、伸びているカエル君やメディカルについては管理する人間を手厚くして広げていかなければいけない。人がなかなか確保できないのは悩みだが、今後解決していきたい」。カエル君とは、「手ぶらでカエル君」というサービスのことで、各地域の中小スーパーなどの小売業をターゲットに、お客が購入した商品を指定された場所、時間に届ける。このサービスは、同社の財務健全化と同時進行で開発された新商品だったが、「わずか2年で力を入れるべきファクターへと成長した」。
現在は「メディカル関連製品や医薬品の配送にも力を入れており、物流センターから病院、営業所間の配送など、定期的な配送に強い当社の強みを生かしたサービスとなっている」。昨年9月には大阪産業創造館で開催された「医療機器開発・販路開拓マッチング商談会」にも参加し、サービスを積極的にアピールしている。
物流業界に対して、「運賃単価を上げなければ人は集まらない。働き盛りの人が今の安い運賃では、とてもじゃないが家族を養っていけない。そのため若い人がこの業界には来ない。若手の育成が喫緊の課題といえるのではないか」と分析。
地方の拠点づくりも積極的に進める同社は、「運送という立場から一歩下がって考え、いかに運送業からサービス業的なものに転換していくかがカギ」と話す。「カエル君のニーズが高かったように、まだまだ軽貨物の需要は高い」と捉え、「今後は軽貨物だけでなく、By─Qホールディングスのグループシナジー効果をもっと活用したい」と話す。
その上で、「セグメント別経営が良い部分でもあり悪い部分でもあるが、グループのシナジー効果を活用すればすべての物流網が当社にはある。会社の垣根を越えて、提供できるサービスを増やしていきたい。連携のためには改めて教育が必要」。さらに、「仕事をする上で大切にしていることは、当社のサービスは人が商品となるサービスなので、人を大切にすること。人が基本という考えで、業界のリーディングカンパニーとして突き進んでいきたい」と意気込みを述べた。
◎関連リンク→ 株式会社Q配サービスこの記事へのコメント
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