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    警察庁道交法改正案 「準中型免許」を新設

    2015年1月26日

     
     
     

     警察庁はこのほど、免許の新区分として総重量3.5トン以上7.5トン未満の車両を対象とした「準中型免許」を新設する方針を固めた。2月4日までパブリックコメントを募集した上で、同免許の新設を含めた道交法改正案をまとめ、通常国会に提出する。法案が成立すれば、早ければ平成29年には18歳でも総重量7.5トン未満の自動車が運転できるようになる。
     今回、道交法改正について警察庁が高齢運転者対策とともにまとめた試案が、「準中型免許」の新設だ。試案では、同免許は現行の中型免許と普通免許の間に位置付けられる。18歳以上を受験資格としており、免許を取得すれば18歳でも総重量3.5トン以上7.5トン未満の自動車が運転できるようになる。一方、これにともない普通免許の条件が変更となり、現行の総重量5トン未満が3.5トン未満となる。


     現行の中型免許の受験資格が20歳以上のため、高校新卒者は実質、総重量5トン未満の自動車しか運転できず、保冷車など架装して5トンを超えた2トン車も運転できなかった。このため、若年者雇用の弊害になっているとの指摘もあり、現行の免許制度の見直しを求める声がトラック業界だけでなく、学校側からもでていた。
     こうした声を受け昨年、「貨物自動車に係る運転免許制度の在り方に関する有識者検討会」(前田雅英座長)が設置され、運転免許制度の在り方が検討された。その結果、今回の改正試案がまとまった。
     試案では、準中型免許を受けようとする者は、公安委員会が行う応急救護処置などの講習を受けることを義務付けている。また、同免許を取得して1年間は、初心運転者標識の表示が必要で、その期間中に違反行為を行い、一定の基準に該当した場合は再試験の対象となる。さらに今回の試案では、酒気帯び運転または過労運転などの違反行為をし、交通事故を起こした場合や人を傷つけた場合、免許の仮停止の対象とするとしている。
     警察庁は、同試案についてパブリックコメントを募集した上で、道交法改正案として今日から始まる通常国会に提出する。国会では、予算案が先に審議されるため、非予算案である同改正案はゴールデンウィーク明け以降の審議になる予定。
     前回の免許制度の改正では、平成16年に中型免許の新設を含めた道交法改正案が国会で成立した際、施行は平成19年と、準備に3年を費やした。今回は、若年労働者の雇用という喫緊の課題であるため、前回よりも早く施行することが求められている。ただ、自動車教習所の整備をはじめ、各都道府県での予算取りなど準備にある程度の時間が必要となることから、今国会で法案が成立しても、施行は早くても平成29年になる予定だ。
    ◎関連リンク→ 警察庁

     
     
     
     

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