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    運賃値上げに踏み切る 三者三様の交渉方法

    2015年3月5日

     
     
     

     コンプライアンス重視の傾向が物流業界にも浸透しており、荷主に運賃交渉をする事業者が少しずつ増えている。ただ、各社の運賃交渉方法を聞いていくと三者三様で、まだまだ運賃単価の上昇に踏み切れていないのも確かだ。
     大阪府東大阪市の事業者では、「新年を機に、荷主への運賃交渉に踏み切ろうと考えている。現在は混載で調整しているが、末端のドライバーにしわ寄せが行かないよう根気強くお願いしていくしかない」としている。
     長年、同じ荷主と取引しているという大阪市城東区の事業者は「長年の付き合いだが、交渉を重ねても運賃値上げにはつながらないのが現状」としたうえで、「燃料価格は下がってきているが、燃料価格だけが運賃変動の要因ではない。人件費も上げなければ、今いる従業員を会社に留めておくことができず辞めてしまう」と警鐘を鳴らす。


     また、同社長は「物流の人材不足『2015年問題』があるように、ドライバーの数が減っている中で、給与面が少しでも手厚くなければ、ドライバーという職種に人は集まらない。その問題をカバーできるような運賃を収受していく」と、これまで以上に従業員に還元する体制を築きたいようだ。
     大阪市鶴見区の事業者は、荷主との交渉時に外食産業が相次いで値上げに踏み切っていることを例に挙げたという。「牛丼チェーンでは、原材料価格の上昇で商品価格を上げざるを得ない状況になっている。我々も様々なコストが上がっているので同じだ、と伝えた。現在、荷主側が運賃値上げを検討してくれている」という。
     運送業と外食産業はどちらも労働集約型産業だ。人によるサービスが大きなウェイトを占めるため、人件費の確保は喫緊の課題。運送事業者は適正運賃収受という形で確保していくことが求められる。
     人材不足や軽油価格の変動などを運賃交渉の理由にせず、強気の姿勢で交渉している事業者もいる。「何万社も運送会社があるから、荷主側は『いくらでも代わりの業者がいる』と、いまだに思っているところがある。その中で勝つためには、『仕事力』で勝負するしかないのではないか。ただ運ぶことだけを請け負うのではなく、物流加工も任せられる会社や、特殊車を各種取りそろえている会社は強い」と話す。
     また、大阪府茨木市の事業者は「荷主にとって物流はコストの一つ。その半面、我々運送会社にとっては収入源。双方の考え方が違っているのだから、運賃交渉がうまくいくはずがない」と本音を漏らす。
     厚労省は昨年12月、「平成25年度の自動車運転者(バス、トラック、タクシーなど)に対する監督指導、送検の状況」を発表しており、それによると監督指導が行われた4279事業場のうち労働基準関係の法令違反が指摘されたのは全体の約82%。そのうち最も多かった違反事項は労働時間の56.6%で、次に割増賃金が24.5%となっていた。トラック運送業の現状を加味すると割増賃金を「払っていない」のではなく「払えない」運賃低単価事情があるのではないだろうか。
     「業者間の低価格競争のツケは、最終的には自分にまわってくる」と、一部大手物流会社が運賃値上げに踏み切っているが、中小・零細企業もそれに追随し、業界全体で機運を高めていかなければならないようだ。

     
     
     
     
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