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    日本新薬 コスト・効率面で物流をアウトソーシングに

    2015年3月17日

     
     
     

     特長あるくすりを創り続けることを使命としている、医薬品メーカーの日本新薬(前川重信社長、京都市南区)。高品質な医薬品を全国に安定供給する取り組みや現在の物流の課題などについて、同社医薬物流部長の吉井博史氏に話を聞いた。
     同社は、アルコール依存症患者の飲酒欲求を抑える断酒補助剤を国内で初めて販売するなど、オリジナルな医薬品の研究・開発を進める。硬式野球部も有名で、都市対抗野球大会の常連でもある。昨年10月には、同社の倉本寿彦内野手が横浜DeNAベイスターズからドラフト3位指名されたことでも知られている。


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     国内に約20支店と2研究所のネットワークを有し、海外にも3拠点を構える同社。物流拠点は埼玉県八潮市と大阪府茨木市で、同社の管理薬剤師を常駐させている。
     「自社物流は、コスト面(人件費・設備維持費)や配送効率・保管管理のノウハウなどを考慮すると少し難しい」と話す吉井部長。医薬品の保管は常温と保冷の区別に加え、常温でも向精神薬などについては鍵のかかる倉庫に保管し、ほかの薬とは別に管理する必要があるという。また、倉庫への入室時間などは細かく記録する必要がある。
     「医薬品物流のノウハウを持つ大手物流会社に物流部門をアウトソーシングしている。自社物流であれば融通も利くが、コストや効率を考え選択した」と吉井部長。
     現在の物流の課題について、「西と東が同量の製品在庫を抱えなければならないので、バランスが難しい」と話す。「毎日、同じ量が出荷されるわけではないので、バランスをとるための輸送経費などをどのように削減していくかが問題。特に、花粉症治療薬の抗アレルギー薬など、季節で必要な量が大きく変わる医薬品に関しては調整が難しい」と説明する。
     近年の物流環境については、「2012年の高速ツアーバス事故を契機に、労働時間の上限違反など行政処分が厳罰化されたことで、北海道などに製品を運ぶ場合、医薬品業界では基本的には翌日配送だったものが2日かかるようになってしまった。注文をいただいてもすぐに対応できないのが苦しいところ。飛行機での輸送という手もあるが、コスト面を考えると全て空輸というわけにはいかない」と話す。「配送に関しては、2日かかってしまうのはどうしようもないので、顧客に少し余裕をもって在庫を抱えていただくようお願いしている」と説明する。
     また、「在庫をどのように調整するかも大きな問題。以前の医療機関は、月に一度、一括で医薬品を購入するなど、常時、十分な種類と量の医薬品を備蓄していた。しかし、現在は経営的側面から在庫を出来る限り少なくしている。そのようなニーズにも応えなくてはならない」と説明する。その対応策として小口の配送も行っている。そのため、個別に色々な製品を一つの箱に入れて配送する場合も多い。その場合、同社の製品が数種類詰め合わせていることを示すテープを張るなど納入先でも分かるような工夫を自社で行っているという。
     「欠品は我々の仕事の中で一番あってはならないので、在庫は毎日必ず社内のコンピューターで管理している。医薬品にはロット番号があり、番号が早いものから出荷するが、同一の医療機関には既に納品された医薬品より、ロット番号の古い製品は納品しない。医薬品はそれだけシビアな管理をし、タイムリーなものを提供することが大事」と述べる。
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    ◎関連リンク→ 日本新薬株式会社

     
     
     
     

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