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    社員の頑張りに報いたい 退職金をこつこつ積み立て

    2015年3月23日

     
     
     

     「ここ何年も給料を上げられていない。それでもドライバーの日頃の頑張りに報いたい」。
     そのような思いで、何十年も前から毎月こつこつと積み立てをしているという、江東区の運送事業者の社長夫妻。ドライバーが早期退社することを考え、退職金制度を設けない運送会社も多いが、「10年、20年と会社に貢献してくれた人に対して、何もなしに『さようなら』なんて言えない。何か形として残したい」と取り組んできた。
     社長夫妻は退職金を受け取る予定はないという。「自分たちは、給与のなかで積み立てていければいいと思っている。それよりもドライバーに少しでも多くあげたい。その一心」と打ち明ける。ボーナスも同じで、ボーナスのために借り入れるのではリスクが高いため、支払い時期を逆算して、満額になるように毎月積み立てるという。昨年消費増税が行われたときも、消費税分を別口座にプールするなど、支払い時に困らないように取り組んできた。


     「運行管理や労務などコンプライアンスにもお金がかかる。悩みは尽きることがない」と漏らす社長。しかし「たとえ苦しくても、きちんと取り組んでいれば思いは伝わる」とも。社長夫人も「今、出来ていることはほんの一部かもしれないが、思いを募らせれば、いつかはもっと社員の満足につながる何かができるようになると信じている」と言葉を強めた。

     
     
     
     

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