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    ドライバー採用 高齢者活用も困難

    2015年4月21日

     
     
     

     若年労働力確保の難しさから、トラック業界では高齢者の活用が進んでおり、中小事業者は、高齢者雇用が現実的な選択肢となっているのが実情だ。しかし、ここ数年は有効求人倍率が1倍を超えるなど、労働市場は完全な売り手市場で推移しており、高齢者さえ雇用が難しい環境になっている。人手不足を補う頼みの綱ともいえる高齢者活用にも、いま黄色信号が灯っている。
     埼玉県の事業者は、「最近は若者だけでなく高齢者にもモラルを疑うような人が出てきている」と話す。同社には、今年2月まで数年間働いていた60代のドライバーがいた。入社当時は未経験だったが、本人のやる気を買って4トン車に乗車させていた。仕事ぶりも問題はなく、「保育園に通う孫の話を聞かせてくれることもあった」と、コミュニケーションにも問題は見当たらなかった。


     しかし、先月の給料日の朝、事務所に一通の退職願が置いてあった。そのドライバーが置いていったものだが、それきり連絡もつかなくなってしまったという。その後、何度か連絡を試みたところ、元ドライバーは既に別の清掃会社で研修中で、同社には顔を出せないと言ってきたという。
     そのドライバーは同社に勤務中、民家の塀を壊す事故を起こし、約50万円の返済を会社に残したままだった。元ドライバーは毎月1万円ずつ返しに来ると伝えてきたが、「アテにはできないだろう」と同社長は苦笑する。
     すでに仲間の事業者の間でも、「若者は条件が良いところに流れやすかったが、今までほかに行くところなどなかった高齢者層にも同じ現象が起こっている」と危機感を募らせる声も出ている。同社長は、「以前に比べ、高齢者でも働き口が見つかりやすい環境にあることが、高齢者雇用の流動化を進めている」と指摘する。
     ここ10年ほどの有効求人倍率を遡ってみると、リーマン・ショックの影響を受けた平成21年に0.47倍まで下がったが、同22年からは上昇に転じ、一昨年度の平均は0.93倍だが、昨年度は1.09倍と1倍を超えている。
     そして、今年1月の有効求人倍率は、1.14倍(季節調整値)と、就職を希望する人に対して求人の方が多い状況が続いている。同1月の新規求人(原数値)では、運輸業・郵便業は3.1%の減少となっているが、医療・福祉では11.3%増加、他にも生活関連サービス業・娯楽業、卸売業・小売業などで増加がみられ、全体としても前年同月比3.0%の増加となり、完全に売り手市場となっている。
     これまで、「募集しても高齢者しか来ない」「高齢者はほかに雇ってくれるところはない」といった見方をされてきたが、全産業的な人材不足が深刻化する中、若者だけでなく、多くの運送会社で「高齢者すら来ない」「高齢者も他業界へ転職する」といったケースが今後、増加することが懸念される。

     
     
     
     
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