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    存続の方法「事業継承M&A」 事業安定のメリット、マッチングの難しさ

    2015年6月25日

     
     
     

     中小企業白書によると、個人事業者を含めた国内の中小企業数は約400万社。年間の廃業数は約29万社にのぼる。このうち、廃業の理由を「後継者不足」としているのは約7万社。実に24%以上が、後継者が見つからないため廃業を余儀なくされている状況だ。また、かつては親族内承継が9割以上を占めていたのに対し、近年では親族内承継が中規模企業で約4割、小規模企業で約6割まで減少しており、親族内での後継者の確保が困難になってきている。適切な後継者候補がいない場合、会社を存続し、従業員の生活を守る選択肢となるのがM&Aだ。
     中小・ベンチャー企業の事業継続支援を行っている日本ビジネスイノベーション代表の西堀敬氏は「事業承継M&Aの利点は、会社が存続可能になることだけではない。譲渡先が上場企業や信用の高い企業であれば、融資の個人保証を解除できる可能性がある。自社よりも大きな会社に合併・買収されることで、事業が安定する」といったメリットをあげる。


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     現在、物流業界でも他業種への進出を目指した提携や、M&Aによる業界再編の動きが活発化している。名糖運輸とヒューテックノオリンの経営統合や丸全昭和運輸による日本電産ロジステックの子会社化は記憶に新しい。一方で、中小の実運送会社のM&Aはまだ多いとは言えない。西堀氏は「マッチングが難しく、譲渡先がなかなか見つからないケースもある」と説明する。運送業界の場合、荷主や取り扱う荷種によって別業界といってもよく、譲渡条件のマッチングが難しいことに加え、業界内での人間関係など売り手側の心理的抵抗も少なくないようだ。
     数年前、西堀氏は東海地方の運送会社から「譲渡先を探してほしい」との相談を受けた。条件が合致し、同じ県内で買い手が見つかったが、蓋を開けてみれば業界の会合で同席することもある顔見知りの事業者だった。最終的に「知り合いに譲るのは気が引ける」という理由からM&Aには至らなかった。M&A成立後に、社長仲間から「なぜ自分に相談してくれなかったのか」と言われ、人間関係にヒビが入ってしまう例もあり、周囲の反応を気にして躊躇してしまうという。
     M&A支援企業レコフが集計、公表したデータによると、2014年の事業承継M&Aは234件で、2010年から2013年の3年間で件数は倍増している。未上場企業同士のM&Aなど未公表の案件を含めると、年間1000件近い件数の事業承継M&Aが行われており、今後も増加していくことが予想される。M&Aは後継者不足による廃業を避ける有効な手段となりえるが、運送業界に精通したM&A支援企業の不足など、環境が整うまでには課題が多い。

     
     
     
     
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