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    アルコールチェック 検査結果異なり荷主から乗車拒否

    2015年6月30日

     
     
     

     安全運行に欠かすことができないアルコールチェック。市場では多種多様なアルコール検知器が販売されており、通信販売で出回っている安価で簡易的な検知器の信頼性が問題になったことも記憶に新しい。しかし、信頼性の高い業務用検知器を使用していたにもかかわらず、事業者と荷主で検査結果が異なったことから乗車を拒否される事案が発生している。取材をするなかで、アルコール検知器を巡る問題点が浮き彫りになってきた。
     首都圏の運送会社で、大手飲料メーカーの配送を担当するドライバーAさんは、ある日の夕食時に缶ビール350mLを2本飲んだ。翌日も仕事が入っていたため、午後10時頃には床についた。翌朝6時30分頃に出勤し、営業所で対面点呼を行い、アルコール検知器の値「0.00mg/L」、目視などでも問題ないことを確認され、トラックに乗って会社を出発した。7時にメーカーの工場に到着し、荷主側のアルコール検知器でチェックを行ったところ問題が起きた。「0.038mg/L」という数値が表示されたのだ。


     15分後の再検査の数値は「0.011mg/L」だった。さらに15分後、3回目の検査では「0.000mg/L」となったが、同荷主の規定では、2回目の検査で「0」でない場合は乗車することができない決まり。結局、この日は休車となり、仕事に穴が空いてしまった。
     Aさんの会社が使用しているアルコール検知器は、物流業界ではポピュラーなB社の業務用モデル。今年2月にメーカーでメンテナンスを行い、正常に動作することを確認していた。一方、荷主側の検知器はC社のもの。こちらも業界で多くのシェアを占めている有名メーカーだ。両メーカーの仕様書を見ると、測定可能な下限は、どちらも「0・050mg/Lから」と同じ値に設定されており、0.050mg/Lよりも低い数値の場合は「0」として表示される点も共通している。
     C社は、表示の下限を「0.050mg/L」に設定していることについて、「アルコール飲料以外の物質に反応してしまうことを避けるため」(C社事業部)と説明。0.050mg/L以下というのは相当に微量なことから、飲酒によるものなのか、その他の要因によって反応しているのか、判断が困難なためだ。「発酵食品や薬品、喫煙などに反応することがあるほか、体質や疾病によっては、体内から発生するケトン体などのアルコールに近い物質に反応してしまうこともある」(同)ということから、同社では測定範囲を「0.050mg/Lから」とすることで、切り分けを行っている。
     ここで疑問となるのは、Aさんの検査結果「0.038mg/L」「0.011mg/L」という数値だ。C社では、一部の希望するユーザーに対して、測定範囲をカスタムした検知器を提供している。同社事業部は「アルコール飲料以外の要因で反応してしまうリスクがあることを説明した上で、0.050mg/L以下の数値を表示できるようカスタムで対応している」と話す。しかし、これらのリスクについて、荷主から協力会社に対して説明は一切なかった。Aさんの会社が備えている検知器は、仕様書通りの性能であるため、点呼時に反応しなかったのは当然といえる。
     国交省でも「アルコール検知器に関して統一規格は設けていない」(自動車局安全政策課)のが現状。告示で「呼気中のアルコールを検知し、その有無またはその濃度を警告音、警告灯、数値などで示す機能を有する機器」(貨物自動車運送事業輸送安全規則)と定めているのみだ。「メーカーやモデルによって規格が異なっていることは、アルコール検知器メーカーの間でも問題視されている」(大手検知器メーカー担当者)ことから、メーカー担当者で構成されるアルコール検知器協議会でも、この問題は協議されているが、「統一規格の必要性については、まだ話が始まった段階」(同)という状況だ。
     Aさんが所属する運送会社の社長は「より厳しい基準を定めることには反対しないが、そこまで徹底するのであれば、協力会社にしっかりと説明し、使用する検知器も指定するべきではないか」と、荷主の対応に納得ができない。統一された規格がないからこその2重チェックかもしれないが、リスクや課題を明かした上で、基準を定め、事業者が検査できる体制を築くことが必要との指摘もある。

     
     
     
     
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