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    商品事故に見る荷主の対応 原因不明でも現場の責任に

    2015年7月7日

     
     
     

     荷物の紛失や傷など、配送中に商品事故が起こった際、どこが責任を負うことになるのか――。原因が明確であれば責任の所在もはっきりするが、原因が特定できない場合、立場の弱い末端の現場の責任とされることが圧倒的に多いのが実情だ。こうしたトラブルの際の荷主の対応で、その後の関係に微妙な波風を立てることも事実のようで、現場からは「本当に輸送品質を上げたいのなら、現場の声に耳を傾けるなど、荷主が一緒に解決する姿勢を見せてほしい」との声も聞かれる。
     「商品事故が起きて、一方的に責任を求めてくるような荷主の対応であった場合、(その荷主の)仕事に対するモチベーションの維持は正直言って難しい」と、本音を漏らす千葉県の運送事業者。同社は先日、配送中に荷物である商品の一部を紛失するというトラブルを発生させてしまったという。
     同社社長によると、紛失した荷物は、荷積みのところではしっかりと積んだことが確認できたという。そのため、配送中、もしくは荷受けの際に発生したことになるが、そこから先の確認が難しく、原因の特定はできなかった。


     そのため、本来なら配送を担当した同社か荷受けを担当した配送先の責任となるところだが、荷主は同社に一方的に責任を押し付けてきた。原因が特定されない以上、配送先にも問題がない訳ではないが、配送先は荷主にとっての顧客でもあり、当然のことながら立場上、責任の追及などできるはずもない。その結果、最も立場の弱い同社に責任の矛先が向けられたのだ。
     「うちが問題を起こしていないとの証拠もないため、ある程度の責任は仕方がない」との認識もあったという同社長だが、商品の賠償だけでなく、完全にドライバーの責任とした上で、そのドライバーを非難し、仕事の継続にはドライバーの変更を指示してきた荷主の態度に戸惑いも隠せなかったという。「ただ、『はいはい』とこちらが責任を負うだけでは納得がいかなかった」という同社長は荷主に対し、警察への被害届の提出を求めたという。しかし、問題を大きくしたくない荷主は同社長の声に応じることなく、水面下での処理を求めてきた。
     結局、同社が全責任を負うことでトラブルは解決した。しかし、「立場上、いい加減な仕事はできないが…」と前置きした上で、「その荷主の仕事に対するモチベーションは上がらないのが実情だ」と本音を漏らす。
     一方で、同じような商品事故が起きた別の荷主での対応は全く違った。その荷主は同社長の声に耳を傾けた上で、「どうしたら事故を未然に防げるか、その対応策を一緒に考えようとしてくれた」という。「原因の特定は難しいが、配送中の事故の可能性もあるため、責任を認めた上で結局、賠償を行った」という。
     同じような商品事故で同じように責任を負った同社。しかし、荷主への反応には「雲泥の差がある」と話す。「一方的に責任を追及してくる荷主と、トラブルを未然に防ごうと一緒に手立てを考えてくれる荷主。どちらの仕事を優先するかとなったとき、後者になるのは理の当然」と指摘する。
     同社社長は「立場の弱い現場に責任が降りかかってくることはある程度仕方がない」とした上で、「だからこそ、本当に輸送品質を向上させたいと考えているならば、こうしたトラブルの際には荷主も事業者を配慮した対応を考えるべきだと思う」と指摘している。

     
     
     
     
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