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物流ニュース
社会保険労務士・坂井秀一氏「どんぶり勘定から脱皮しよう」
2015年7月8日
経営者の良きパートナーとして、人事・労務の面から組織をサポートする坂井秀一社会保険労務士。東海経営コンサルティンググループ(愛知県豊橋市)の東海経営人事労務事務所の所長を務め、人事・労務上の「リスク」「機会損失」を事前予測し、徹底防衛する「最強組織」作りを得意としている。
同氏は大学卒業後二十余年、一貫して中小企業の経営・人事コンサルティングに従事。新入社員・管理職・営業マンの研修などの企画・トレーナーとして約1500人の社員教育を実施してきた。個別企業の経営コンサルティングは一部上場企業を含め200社超の実績を誇る。
運送業を経営する上で注意すべき点について、「時代の流れで、残業代についての意識も少しは高くなってきた印象はあるが、まだ小規模になるほど『どんぶり勘定』は否めない。人材不足の中で求人募集する場合、みなし残業代は給料全体の見栄えをよくする部分もあるが、運用の仕方を誤れば会社として大きな痛手になる」と指摘。「裁判によっては残業代としての意味合いを持たなくなり、その上、算定基礎に含まれるため支払い額が増える結果になる。みなし残業を採り入れるのであれば、(1)何時間分に相当するのか(2)(1)を超えた時間については差額を払うという明示(3)かつ、実際に払われているという事実を確立しておく必要がある」と話す。
ドライバーの定着率については、「なるべく、歩合や職務評価については、『賞与』として支払うのが好ましい。建設業もそうだが、日給という形は定着率が悪い。働く側の意識を変える意味でも、賞与として支給することで『社員的な意識』を根付かせることができる。賞与にシフトできるものはシフトしていくのが重要」と指摘する。
「時代は変わってきているので、どんぶり勘定的な発想から脱皮する必要がある。未払い残業と解雇の問題において、極力リスクのない状態を作る意識を持ってほしい」と経営者に呼び掛ける。
◎関連リンク→ 東海経営コンサルティンググループこの記事へのコメント
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