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物流ニュース
労災防止取り組み急務 6月1日公表制度スタート
2015年5月18日
重大な労災事故を繰り返す企業名を公表する制度が6月1日からスタートする。改正労働安全衛生法の一部が施行されることにともなうものだが、全産業で発生する労働災害のうち、1割近くを占めている運送事業者は今後、ますます労災防止への取り組み強化が求められている。
社名の公表は、厚労大臣が「全社的な改善計画」の作成を指示した後、実施しない場合に勧告が行われ、その勧告に従わない場合に行われる。
厚労省によると、平成27年1月から2月末までの労働災害発生状況は、死亡災害が建設業38人、第三次産業22人、製造業20人、陸上貨物運送事業13人となっている。死傷災害(休業4日以上)は第三次産業4225人、製造業2481人、建設業1514人、陸上貨物運送事業1311人の順。厚労省安全衛生部は、「(どのくらいの会社が重大な労災を繰り返しているかは)運用が始まっていないので具体的にはわからない」としながらも、「制度が協議されている段階の3年間で、数十件が確認されていた。事例から(社名公表の)システムをつくってみてはどうか、という議論の中から生まれた」としている。
また、陸上貨物運送事業の労働災害(死傷者数)の原因を見ると、「墜落・転落」が28.4%と最も多く、次いで「転倒」の12.4%が続く。「道路交通事故」は8.4%となっている(厚労省「職場の安全サイト」から)。社名が公表されれば、運送事業者にとって大きなダメージとなることは間違いない。労災防止へ取り組みの強化が急がれる。この記事へのコメント
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