「この会社で自分が一番アホやと思っている。だから、自分がされたら・言われたらどう思うかを考えて対応している。結局、最後は人と人だから」と語るのは兵庫県尼崎市の運送会社社長。

「当社では長距離輸送も行っている。２０２４年問題もあって、周りの運送会社では長距離輸送を減らしたり、やめたりする話をよく耳にする。当社でもどうするかを考えたとき、ドライバーは、長距離をやめるのは会社の勝手だが、給与が減るのは納得いかないと思うだろうと考えた」とし、「荷待ち時間などを改善してくれる荷主は仕事を続けるが、改善の意思が見られない荷主には早々に見切りをつけた。荷待ちで時間を使われるとドライバーは仕事ができないし、しんどいだけ。待つのも仕事のうちだが許容範囲がある」として舵を切った。

人材募集については、定期的に面接を行っているものの、同社長のお眼鏡にかなうドライバーとはなかなか出会えないという。

「面接すると『仕事はしんどいですか？』と質問されることがよくある。楽じゃないよと伝えたうえで、質問されるだろうと思うことはすべてこちらから伝えている。正直、楽な仕事を求めるなら、今の時代、運送会社で働くことはない。大変だろうけど、そのうえで、当社で働くメリットを提示している」。

また、「運送会社の業務内容に極端な差はないと思う。大事なのは、その会社がその人のことを考えてくれているか、人間として扱ってくれるか、仕事した分だけ還元してくれるか。そして、会社の雰囲気と合うかが最終的な決め手になる」と同社長は求職者が考えるポイントをまとめる。