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    昭和乳業 ビンに込められた「教育」への思い

    2015年9月29日

     
     
     

     どんな大人も一度はお世話になった学校給食。兵庫県尼崎市の学校給食用の牛乳を毎日、一手に製造し、配送している昭和乳業では、懐かしさを感じさせる一面とともに、昨今の社会が反映された一面も垣間見られた。
     「ビンの給食用牛乳を作っているのは県内ではウチだけ」。ビニール製のフィルムで飲み口を覆った、なつかしさを感じさせる牛乳ビン。そのビンを手に、同社の溝下順一社長はそう説明する。
     農畜産業振興機構などのデータ(2011年度)によると、県内で学校給食に出された牛乳のうち、ビンによる割合は5.8%に過ぎない。全国的にも紙パックによるものが圧倒的に多くなり、青森、茨城、群馬などの10県ではほとんどすべてが紙パックだ。


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     ビン牛乳を続ける理由―。このあたりの話題で溝下社長は、「ビンにも紙にも長所と短所がある」と話す。もっとも、「売り手側から見れば、コスト的にも圧倒的に紙がいい」そうだ。
     コストで言えば、ビンの洗浄にかかる機械や人件費などがバカにならない。輸送できる量も重くない紙の方がいい。紙は、子どもにも軽く、割れないといった利点があるが、ビンの長所は、ゴミの減量や紙臭さによる牛乳嫌いが出にくい、などだ。「割れるということを踏まえてもらわないと、おいしいものを味わってはもらえない」。
     もう一つ、教育の観点からも溝下社長の観察がある。紙パックはリサイクルのため、子どもたちにパックを洗わせることが多い一方、ビンでは洗う行為が抜け落ちると指摘。「ビンを洗う教育をプラスするなら、ビンには大賛成」だそう。
     教育そのものもそうだが、世相も同社のあり方を大きく変える。溝下社長の後ろに映っている大画面のモニターには生乳の殺菌や検ビン、牛乳のビンへの充填作業などが15台の工場内カメラで撮影されている。同社のHPにも「社会見学用」にと、その工程を公開している。
     「見られているということを社員たちに認識してもらう」(同社長)目的もカメラにはあるが、同時に、同社の品質対策でもある。
     例えば、牛乳ビンの口が欠けていることが食後に発覚し、カケラが見つからない場合、教師は子どもを病院に担ぎ込んで胃の中を洗浄する処置をとることもあるという。カメラは、いつ、どこで、ビンの口が欠けたかが分かるようにする役割も果たす。
     生乳は淡路島から調達する。1本200mLのビン牛乳を1日2万3000本。2日に1回の割合で10トンローリーが同社工場に付けられる計算だ。市内43校への給食用が同社の牛乳生産全体の9割を占める。
     学校への配送は4台の自家用トラックを使う。溝下社長は、「夏休み中の配送員の問題もあり、今後は、長所と短所を見て配送体制の切り替えも考えないと…」と話す。

     
     
     
     
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