値上げ要請に対応する荷主が少しずつ増えている一方で、物量が減少すると、運賃を下げてでも仕事を取ろうとする運送会社もあり、「適正な運賃を収受することは難しい」と頭を抱える経営者は多い。

堺市中区の運送事業者は、「運賃値上げの風潮が強くなってきているにも関わらず、閑散期に値下げして仕事を取る運送会社が出てくることで、振り出しに戻ってしまう。そういう会社がなくならない限りは、いつまでも運賃が十分な水準に上がってくることはない」と嘆く。

同東区の運送事業者は「暇な時期は荷主も安値で依頼してくるが、それを受ける運送会社が少なくないので荷主も足元を見てくる」と語る。

大阪府東大阪市の運送事業者は、「適正原価の設定は良い案だと思うが、破った場合の罰則が重要。閑散期の安値取引を摘発してくれないのでは、法律を変えた意味がなく、運賃が上がることはないだろう」と指摘する。

香川県観音寺市の運送事業者は、「人手不足で運送会社の重要性は高まっているはずだが、現実は運賃がそれほど上がっておらず、閑散期には標準的運賃の半分以下で走ることがほとんど」とし、「課題を解決するには、運賃が上がり、ドライバーの収入が高い水準で安定することが必要」と語った。