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物流ニュース
安全会議の「今月もご安全に〜第2回〜」 1枚のステッカーが救ったドライバーの心
2025年8月20日
安全会議の森川美希です。
「分かっているんです。でも、運転中は気持ちが先走ってしまうんです」――。
ドライバーAさんが、悩ましげに打ち明けました。Aさんはハンドルを握ると、ついイライラが募り、ETCレーンでスピードを出しすぎたり、危ない運転を繰り返す癖がありました。小さな事故やヒヤリとする場面が増え、指導を受ける日々に心が沈んでいました。

私と話しているときは、より安全な運行について話してくれるのに、日々の運転では忘れてしまうのです。「何をすればいいかは分かっている。でも、気持ちが抑えられないんです」。Aさんの言葉に、私は静かにうなずきつつ、あるアイデアが閃きました。
「誰もそばにいなくても、冷静さを取り戻せる仕掛けを作りましょう」。私が考えたのは、1枚のステッカーを車内に貼ることでした。それには、Aさんが落ち着きを取り戻せる短いメッセージが書かれています。「これを見たら、私の話を思い出してください」。
ステッカーはAさんの視界に自然と入るダッシュボードに貼ってもらいました。運転中、ふと視線がそれに触れるたび、Aさんは私の話を思い出しました。すると、次第に心が静まり、危険行動は減っていきました。

ある日、Aさんは小さな接触事故を起こしてしまいます。しかし、その後の対応が以前のAさんとは違いました。「前の自分だったら、もっと取り乱していましたが今回は大丈夫でした」。その成長をご自身で実感しながら、Aさんは感謝を伝えてくれました。
事故を減らす上で大切なのは、自分を落ち着かせる「仕掛け」を見つけることです。今もAさんはステッカーに見守られながら、穏やかな表情でハンドルを握っています。
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