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    泰清倉庫 小山展弘社長 「ボトムアップの組織へ」

    2016年1月12日

     
     
     

     今年、47期目を迎えた泰清倉庫(小山展弘社長、埼玉県戸田市)。書籍をメーンに展開し、商品の保管、管理から流通加工、配送まで、ニーズに合わせたきめ細かな対応で顧客の信頼を得ている。
     平成21年に開設した4階建ての流通加工センターでは、書籍や備品の保管だけでなく、返本にも対応。書店から引き取られてきた「返本」は、同センターで種類ごとに仕分け、保管され、発注が入ると、改装と呼ばれる工程を経て再出荷される。特に人手を要する改装作業には、自動で書籍のカバー掛けを行うトライオートなどの機器も導入、手作業と機械化を併せた効率的なセンター運営を図っており、書籍部門は同社の主力事業となっている。
     商社に勤務していた小山社長が、父親が創業した同社に入社したのは7年前で、ちょうど同社が流通加工センターを立ち上げる時だ。2年前に社長に就任してから、本格的に社内体制の見直しを図ってきた。目指すのは、「トップダウンからボトムアップの組織づくり」だ。


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     各部門のリーダーを「部門長」とし、職務権限と責任を明確にしたのもその一環で、単なるリーダーではなく、「収支計算までを業務として求めた」ほか、責任者間の会議では決算書も開示。「収益までを考えて自分の部門を管理するのだから、結果として会社がどうなっているのかも示す必要がある」という同社長の考えからだ。 
     結果、各部門でムダを省こうとロケーションの見直しなどの改善が進み、拠点間の横持ちも減り、コストが削減。「部門長が数字を読めるようになったことで、現場でやるべきことが明確になり、自主的な改善が見られるようになってきた」と分析し、「これを一層進め、一人ひとりが自発的に動ける現場が理想」と話す。
     同社長が組織づくりを重視するきっかけには、入社時に感じた戸惑いがある。「この会社で上を目指そうと思ったとき、何をしたらよいかがわからなかった」と振り返る。それまで創業者のリーダーシップに導かれてきた一方で、人事評価の基準や職務権限など明文化されていなかった。同社長は、「会社として指針を示すことで、意識と能力のある者がステップアップしやすい環境になれば」と、まずは組織図を作り、それぞれの役職の責任と権限の範囲を明確化したほか、評価表を利用した人事評価で査定基準を明らかにした。
     評価表の導入では、「各ポジションに、どんな能力が求められているのか示すことにもなるため、向上心の高い者はどんどん伸びている」とし、評価と育成の好循環が生まれているという。
     現在、流通加工が6割を占めるという同社。拠点を置く戸田市は都心へのアクセスが良く、人口が増加し続けており構内作業などの人材確保にも利点がある。同社長は、「地の利を生かし、付加価値の高いサービスを提供していきたい」とし、「既存顧客のニーズの変化にも対応できるよう、従来のやり方に固執せず思い切った改革をすることも必要」とする。
     「いつか、商社時代の人脈も生かして海外の顧客とも仕事ができたら」と話す同社長は、「新たな顧客を呼び込むことで、この地域に貢献するということが大きな夢」と笑顔を見せる。
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    ◎関連リンク→ 株式会社泰清倉庫

     
     
     
     

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