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明治ロジテック 村田信之社長「強力な物流ネットワーク目指す」
2025年12月17日New!!
明治の物流子会社である明治ロジテック(東京都江東区)は、全国で一日に小型・大型トラック合わせて2300~2400台を稼働させ、明治製品の物流を担っている。
今年6月に社長に就任した村田信之氏は、明治乳業に入社後、商品開発やSCMなどさまざまな部門に携わったという。特にSCM部門では、チルド輸送における温度管理の重要性を実感した。
2013年には本社・物流部のグループ長に就任したが、09年に明治製菓と明治乳業が経営統合した余波は物流にも伝わり、当時、明治ロジテックのセンター長を務めていた脇地準治常務とともに苦労したという。

「明治乳業の製品は粉ミルクや牛乳、ヨーグルトなど白くて自然に近いイメージ。一方の明治製菓の商品は、楽しくてわくわく・キラキラしたものだ。同じ物流とはいえ、その2つのカテゴリーを一緒に扱うというのは、非常に難しく苦労した記憶がある」と振り返る。
「たくさん課題はあったが、現場の努力で輸送が滞る事態を回避し、コストの削減にもつながった」
「明治ロジテック社長に就任してからは、協力会社からの運賃の値上げ交渉は、思ったよりも件数も金額も受けていると感じた」という同社長。親会社にいるときには気づかない部分だった。その内容やデータをもとに明治に理解を求め交渉し、「来年も協力会社にしかるべき運賃を提示できるようにしたい」と意気込む。
人手不足や物量減もあるが、物流変動への対応には、運賃の値上げやトラック台数の維持が必要だという認識を持つ。
明治ロジテックでは200社以上の協力会社と取引があるが、自社でもトラックを保有している。また、東髙運輸(東京都板橋区)やカントラロジ(大阪府八尾市)というグループ会社があり、今年9月には新生物流サービス(広島県安芸郡海田町)を子会社化している。
同社長は「明治の商品を扱う我々の協力関係にある運送事業者は長年の温度管理の経験があり、物流の品質がいいと自負している。自信を持ってさまざまな業務に挑戦したい。しかし、その協力会社の規模はさまざまで課題も山積していることは事実。後継者問題やあらゆる経営課題など『明治ロジテックだったら相談できる』という関係を作っていきたい」といい、「緩やかな関係を構築することで、強力な物流ネットワークを作れるのでは」とも話す。
「各地に協力会社も増やしていきたい。明治ロジテックの仕事だったらやってみてもいいという会社が1社でも増えれば」
輸送のみならず、センター運営にも着手している同社。現在、明治の7工場での物流業務の運営を行っており、順に運営する工場を広げていく。物流を明治ロジテックが担当することで、「一体感のある提案ができるようになる」といい、工場内の物流のコントロールや荷待ち時間の減少なども行っていく。
明治では昨年、チルド食品を取り扱うメーカ9社と「チルド物流研究会」を立ち上げており、同社長もそのメンバーの一人だ。
同会では、納品条件の緩和やドライバーの付帯作業削減をはじめ、共同配送をどの地域で行っていくか議論している。
同じく乳製品を扱う他社とは一部共同配送を行っている。南九州と東北では一部共同配送を開始しているほか、福井県では他社と拠点を構え、共同配送を行うなど連携の実績は徐々に増えつつある。
他社では、ドライの輸送がメインでも、一部だけチルド輸送をしたいという会社もある。そうしたところは大型トラック1台分にはならないかもしれないが、同社が得意とする温度管理が必要な物流にアプローチしていく。「青果物や化粧品なども視野に入れている」という。
外販の獲得はトラック台数を維持し、協力会社を守り、物量の変化への対応につながる。
「明治製品は数多く、供給する社会的責任がある。そして、明治製品を運ぶ我々にも」と力を込めた。
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