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物流ニュース
東京港オフピークモデル事業 搬出入時間変更で成果も
2025年12月25日New!!
東京都では昨年度から、「東京港オフピーク搬出入モデル事業」を行っている。代表企業クボタをはじめ荷主企業と物流事業者が協力し、コンテナ搬出入を混雑する午後から午前にシフトさせる取り組みだ。昨年度は10日間の実施で、ゲート前待機時間が短縮、ドライバーの1日あたりの輸送効率が向上し、コンテナ1本あたりの運転時間が短縮するなどの効果が出たという。
今年度は参加企業を増やし、期間や輸送本数を拡大して、11月4日から12月中旬まで行われる予定。都は同14日に大井北時間貸しシャシープール内の東京港デポで、メディア向けに説明を行った。
コンテナ搬出入の時間をシフトしつつ、搬出したコンテナは東京港デポに仮置きする。そして、道路混雑の少ない夜間に来場時間・納品時間をずらすための手段として用意した東京港デポと荷主デポとの間でコンテナを輸送。また輸出入の荷物を用意することで、行き帰り実入りコンテナで輸送効率を上げる。
都は、「午前中のコンテナ搬出入」と「夜間の幹線輸送」の2つを合わせたこのモデル事業で、昨年度は通常の運行と比較して、ゲート前の待ち時間が短縮され、ドライバーの拘束時間も削減されるなどの成果を確認したと話した。

クボタ物流統括部の武山アレックス義知担当部長は最終的なゴールを「車両稼働効率の向上や待機時間削減によって、コスト面でもメリットが出る形にしていくこと」とし、同取り組みが荷主・物流事業者にとって持続可能なスキームとして、物流課題に貢献していくとした。
当日、荷主企業として参加したパナソニックオペレーショナルエクセレンスは、東京港を輸入の際に活用。エアコン、冷蔵庫、テレビといった家電製品の完成品が約9割、残りが原材料や部品の輸入だという。
物流事業者として参加した吉田運送の吉田孝美社長は、「昼・夜の2人体制で運用することで、1台あたりの回転数は約2倍となり、効率が格段に向上した」と話した。
また、夜間道路は走行・待機時間が短縮され、ドライバーの拘束時間短縮、燃費向上、CO2排出量削減もできたという。同社では夜間ドライバーを新たに採用したが、地域の雇用創出にもつながったと強調している。
みなと運送つくば営業所の佐藤孝之所長は、昨年と比較し、パナソニックオペレーショナルエクセレンスの輸入の荷物が新たに加わったことで、輸入側のコンテナ量が増え、バランスが取りやすくなり、「配車が組みやすくなった」としている。
物流事業者の2社では、夜間走るドライバーを新たに確保したが、「ドライバーの傾向として、渋滞や待機時間が長いことを嫌がる」と指摘している。この記事へのコメント
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