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    プロの誇りが会社のリスクに 労使トラブルの可能性も

    2016年3月4日

     
     
     

     コンプライアンスが求められる現代の運送業界だが、現場では昔気質な職人肌のドライバーはまだ多い。なかには真面目なドライバーのプロとしての誇りが、会社のリスクになってしまう場合もある。
     神奈川県の運送会社A社の悩みは労働時間の長時間化。効率化を図り、手を尽くしたが、拘束時間を大幅に超過するルートが残ってしまった。もし事故が発生すれば大きな問題になる。A社長は思い切って荷主の元請け業者に相談することにした。「このままではうちだけじゃなく、そちらも危ない」と切り出したA社長だったが、元請け業者の担当者の答えは「うちは時間内に終わるように考えてルートを組んでいる。おたくのドライバーが勝手にルートを変更しているから間に合わなくなるのではないか」というものだった。


     驚いたA社長は早速、配送ルートを詳細に調べた。確かに指示書では、都内で積んだ荷物を各拠点に配送しながら徐々に神奈川県西部へと近づいていくという最短ルートが指示されている。しかし、実際の運行状況を見ると、一度通り過ぎた場所に後から戻るなど、非効率な運行が行われていた。これでは距離がかさみ、余計に燃料がかかる。
     さらに、配送先には市街地も含まれているため、到着時間が変わることで渋滞に巻き込まれ、大幅な時間のロスにつながってしまう。ドライバーが現場の担当者の都合に合わせて、到着時間と配送の順番を変更していたことが原因だった。A社長は自らトラックに添乗し、配送先の担当者に事情を説明。配送時間を指示書通りに戻してもらえるよう交渉してまわった。その結果、ルートは最適化され、時間超過も随分緩和された。
     安堵したA社長だったが、数か月後には元の状態に戻ってしまった。ドライバーに問いただしたところ、「自分はプロとして、お客さんの要望に応えているだけ。時間が長くなることも問題ない」と返ってきた。担当していたドライバーは昔気質の真面目な職人肌。「自分の時間を犠牲にしてでも、お客さんの希望に応えるのがプロとしての誇り」と考えていた。A社長は説得を試みたが、話は平行線に終わってしまった。「本人はお客さんのため、会社のためと思っているので難しい」とA社長は頭を抱える。本人が良いことだと思っているだけに、無理にやめさせれば、「自分は頑張っているのに会社は理解してくれない」と不満に思い、場合によっては労使トラブルに発展してしまうケースもある。
     かつては自己犠牲の精神は美徳の一つだったが、コンプライアンスが重要視される現代では難しい問題だ。本人が良かれと思ってやったことが結果として、会社が法を犯す要因になってしまうこともあるのだ。大きな視点で捉えた時に、会社のためになっているのかどうか、社員に理解してもらう必要がある。

     
     
     
     
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