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    ETC2.0のメリット 料金収受以外の可能性は

    2016年2月11日

     
     
     

     今年4月から首都圏で高速道路の新料金制度がスタートする。「ETC2.0」導入車については、圏央道を利用した区間の料金から2割引、大口・多頻度割引の対象道路に圏央道を追加するなどのインセンティブが用意されている。
     「ETC2.0」の基本は「料金収受システム」である。全国の高速道路約1600か所、一般道約1800か所に設置されたITSスポットとよばれるアンテナとのやり取りで利用経路や利用時間、速度、加減速データの把握ができるため、混雑状況などに応じた機動的な料金収受ができる。
     装着義務はないものの、ETC2.0装着車にメリットのある施策にするため国交省は、出発地と到着地が同じであれば、どのルートを通っても同一料金にする。経路情報の活用では、混雑している経路からの転換を促すため、都心経由ルートと環状道路経由に料金差を設けたり、将来的には都心の混雑時間帯に周辺道路の料金を引き下げ、ほかの時間帯は同一料金にするなどの切り替えが可能になる。また、給油など一時退出をした場合にもターミナルチャージの再徴収はなく、高速を降りずに利用した料金のままでよいため、大口・多頻度割引が途中で切れる心配もない。


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     1月からは、大型車両に対し、渋滞や事故を避けた柔軟な経路選択が可能となる「特車ゴールド」制度をスタートする。これまでは輸送経路ごとの申請、2年に1度の定期的な更新が必要だったが、ETC2・0装着車両が国指定の「大型車誘導区間」を通行する場合、複数経路の申請を1本化するとともに、ワンクリックで自動更新できるようにする。区間外は従来通りの申請が必要だが、大型車誘導区間の通行許可に関しては3日程度で下りるようになる。
     
     国交省には「経路情報を取得するなら、なぜスマホではだめなのか」「動態管理ならデジタコでもいいのでは」という質問が多く寄せられている。だが「料金は車種別に決めているため、車載型である必要がある」と国交省道路局企画課の水野宏治道路計画調整官は強調する。ETC2.0の第一の目的は、経路情報の取得や動態管理ではなく「料金収受」である。料金収受システムに関連した施策を展開する中で得られたデータから、さらに実現の可能性がある施策を考えた時、浮上したひとつが「運行管理支援サービス」である。
     ETC2.0では、車両のプローブ情報から、リアルタイムに位置情報を把握できる。荷下ろし先の正確な到着時刻を予測できることから、荷待ち時間の削減効果、急ブレーキ・急ハンドル情報から運転の危険箇所をピンポイントで特定でき、ドライバーの安全運転への啓発にも役立てたり、日報の自動作成で運行管理者の負担軽減が期待されている。これらの実用性を検証するため、国交省は実証実験を行う。
     運行管理のツールとして一般的な「デジタル式運行記録計(デジタコ)」については、中小物流事業者の経営状況を考慮して、車両総重量7トン未満(最大積載量4トン未満)のトラックに対する義務付けはされていない。水野道路計画調整官は「義務化対象外の事業者の中で運行管理をしていきたいと考えている経営者にとって、低コストで導入できるという点で有効活用してもらえるのではないか」と話している。
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    【導入費用は?】助成金の活用で半額程度に
     カーナビと車載器両方の導入が必要と思われがちだが、車載器があれば音声のみで多様なサービスを受けられる。ただ、モニターがあれば、例えば事故が多発する地点やカーブ先の見えない渋滞などを音声案内とともに映像で確認できる。
     パナソニックカーエレクトロニクス(木村真人社長、東京都品川区)が昨年11月に発売した「CY―ET5000GD」は、ETC2.0を活用した新しい高速道路利用割引を使うために必要なGPS機能が内蔵されており、カーナビがなくても単体で使うことができる商用車専用モデル。販売価格は3万9800円(税込み、参考価格)。取付工事費は5000〜1万円、ETCからETC2・0対応車載器に交換する場合の脱着工事費は1万〜2万円(別途セットアップ費用や出張費用がかかる場合もあり)としている。
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     NEXCO3社、日本高速道路保有・債務返済機構が車載器導入支援として、車載器1台あたり1万円を商用車車両中心に助成を行う。また、全ト協は車載器1台あたり4000円を助成する方針で、50万台分の予算計20億円を措置する考え。また、地方ト協に対しても車載器1台あたり1000円以上の助成を求めていくもようで、購入コストは半額程度になりそうだ。
    ◎関連リンク→ 国土交通省

     
     
     
     

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