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    西尾運送と道東運輸 士別ー釧路間をシャシーで中継輸送

    2016年6月22日

     
     
     

     西尾運送(村上哲也社長=写真、北海道士別市)は昨年12月10日から、士別〜釧路間の長距離輸送を道東運輸(戸出優子社長、同帯広市)と協力し、シャシーを使った中継輸送を行っている。道内では大手を中心に自社内やグループ内で中継輸送を行う事例があり、実証実験のような単発的な事例は出ているが、中小の運送事業者同士が自力で制度設計し、毎日運行している事例は非常に少ない。
     西尾運送は紙類の輸送を展開しており、全道各地への長距離運行も多かった。昨秋頃から、荷主との間で長距離輸送にかかる拘束時間や運転時間などのコンプライアンス対応について協議し、中継輸送の実施を検討。片道350kmの釧路方面の輸送について、道東運輸に協力してもらう段取りをつけた。10月20日から22日までの3日間、試験的に実証走行を行い、「時間的には問題がない」ことを確認し、12月から本格スタート。運賃は、運行距離の割合に応じて配分している。
     西尾運送が元々保有していたシャシー2台を活用し、道東運輸で切り替えている。ヘッドは「士別〜帯広」と「帯広〜釧路」の間で両社が運行する。道東運輸はもともと釧路から帯広までの荷物を持っていたため、釧路まで実車でいけることにメリットがあり、この中継輸送に協力しやすかった。


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     それまで、西尾運送のルートの典型的な工程は1運行2日間で、「1日目は夕方に士別を実車で出て片道360kmを走り釧路で車中泊。拘束時間は6時間20分。翌朝、釧路で荷下ろしし、空車で士別に戻り、積み込み後に帰庫。2日目の拘束時間は12時間30分」といったもの。1運行が長時間に及ぶため、ドライバーの疲労軽減をはかる目的で運行前日は休ませていた。
     中継輸送実施後の工程は「午前中に実車で士別を出発し、夕方に帯広着、シャシーを道東運輸に渡し、30分後に空のシャシーを積んで士別に戻る。片道215km、往復430kmで拘束時間は7時間30分」となる。運行前日にドライバーを休ませる必要がなくなり、場合によっては旭川から士別まで実車で戻ることもある。道東運輸は翌朝、釧路で荷下ろしし、実車で帯広まで戻って来る。
     村上社長は「他社と中継輸送を行うとコストも余計にかかるため、荷主に数パーセントの運賃アップに協力してもらった。運行前日にドライバーを休ませる必要がなくなり、休ませていた日が稼げるようになった。運行の効率がよくなった半面、運賃も2社で分けるので、今のところ十分な利益が出ているとはいえないが、大きなマイナスではない」と話す。「負担はそれなりにあるが、ドライバーに長時間労働を強いるより、中継輸送をしたほうが絶対にいい」と断言する。
     また、「荷主に対して、法令を守る運行の努力を率先して行っている運送会社として存在感をアピールすることにもなる」と考えており、実際に荷主から高い評価を得ているという。これも数字には現れないメリットと捉えている。
     ただ、「もともとシャシーが2台あったが、新規の設備投資となると全く引き合わなかった。帯広から士別までの帰り荷が2割もないことが課題で、これが確保できれば十分に利益が出る」としている。
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     村上社長はこの中継輸送について「(1)ドライバーが毎日稼働できる(2)ドライバーの疲労度が軽くなる(3)コンプライアンスが徹底できる――ことがメリットで、全体の運賃がデメリット」と指摘しながらも、「これからは安全とコンプライアンスの意識が高い事業者でなければ生き残りが難しくなる。車両5台の事業者でも中継輸送は十分に可能」と述べている。同社でも「協力会社があれば今後、北見方面での中継輸送も考えたい」という。

     
     
     
     
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