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    軽油取引税など トラック運送の矛盾点

    2016年7月28日

     
     
     

     いまでは死語となった護送船団方式という言葉。その事業を監督する行政機関が許認可などを操作しながら〝落ちこぼれ〟を出さないようにする仕組みは、トラック運送業界でいえば平成2年までの事業免許制。新規参入するには同業の先輩事業者から〝お許し〟を得る必要があり、それが難しい場合は数千万円を用意して既存の免許を手に入れるしかなかった。遠い昔の話だが、酒の安売りを国が規制しようとする動きがトラック業界関係者の感情を刺激しており、長年くすぶってきた不満を爆発させる経営者も少なくない。
     交通関連の分野では昭和の終わりごろから他産業に先んじて規制緩和が進められ、国鉄の民営化などに続き、トラック運送事業でも需給調整の撤廃(免許制から許可制へ)や運賃の自由化へ大きな変化を遂げた。そうした経験を持つ業界にとって、酒の安売りに国が口を挟む行為は時代錯誤に映っても仕方がない。量販店による安売りが〝公平な取引ではない〟として国が基準を設けるなら、その価格が不当廉売なのか経営努力によるものかを確定しなければならないが、その難しさはトラック運賃の例を見ても明らかだ。


     ルール変更に酒税が関わっている点も、トラック関係者の感情を逆なでしている。道路建設という目的税から一般財源へと変更されたにもかかわらず、軽油引取税をトラックなど特定ユーザーが負担し続ける矛盾もあるが、そうした義務を果たしても一向に業界側の要望が形にならない苛立ちや憤りに加え、理にかなった現場目線の改善案も聞こえる。
       ◇  ◇
     「対面点呼は営業区域が完全撤廃された時点で見直すべきだった。電話点呼も『原則として関係書類がそろった事務所(の電話)で』というのが運輸支局の決まり文句だが、それは電話機が配線でつながっていた時代。いまはケイタイがあり、担当者が事務所でじっとしている必要はない。市街化調整区域の問題も、いい加減に見直しが必要。要求があれば撤去するという条件で、基礎工事をしないプレハブの事務所なら可能…という具合だ」(工業原料などを運ぶ70歳代の運送会社社長=岡山県南部)
     「労働時間は働いている時間のこと。ドライバーの拘束時間は確かに長いが、それは仕事の特殊性。ドライバーの休日は完全なオフだが、企業の営業マンが自宅で資料作りをやれば長時間労働なのか。もっと現場の様子を知るべきだ。同業者は長距離の大型トラックに折り畳み自転車を積ませているが、理由は出先での休息時間にトラックを動かすと法律違反になるため。コンビニなどに行く場合は自転車というのを会社のルールにしているらしいが、まったくバカな話だ」(日用品や食品関係を扱う同年代の経営者=同県北部)
     「社会保険は本当に必要なのか。個人が基礎年金と国民健康保険に加入すれば、それでいいではないか。軽油引取税もオカシイ。なぜ、いつまでもトラックなど一部の関係者だけが払わないといけないのか」(鉄鋼品を輸送する同年代の運送会社幹部=兵庫県南部)
     「実運送の法律に基づく責任を負わない会社が実運送を仕切り、実質的にトラック運賃となる物流コストの一部を受け取るのは矛盾している。荷主であろうが車両を持たない水屋だろうが、同じ責任を背負わせることで権利を与えるべき」(建設資材や機械部品の物流を手掛ける50歳代の社長=岡山県南部)
     「任意保険を強制加入にするべき。物損事故が高額化しているが、営業ナンバーの運送会社による未加入の例も一つや二つじゃない。未加入なら即座に事業許可を取り消すように求めたい。それと3か月点検。地場輸送と長距離ではトラックの傷み具合も違う。車齢も考慮しつつ、一定の距離を走った時点で点検させる手法に見直してもらいたい」(食品や化学原料を扱う運送会社の取締役=広島県西部)
       ◇  ◇
     「トラック運送事業は改善でなく、改革のレベルでしか変えられない」――と、ある専門家のセミナーで聞いた。時代の流れによってその都度、合わなくなった部分の手直しを繰り返したことで、全体で見れば、いびつなルール体系になっている感はぬぐえない。多くの法律が絡むトラック運送事業だが、まずは基本となる安全輸送の確保という観点から、時代と、何より現場の実態を踏まえた関係規制の大修理が必要かもしれない。

     
     
     
     
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