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物流ニュース
リクサス 土井常務「物流、介護、保育をリンクさせたい」
2016年9月6日
倉庫業を基軸とし、物流に関するあらゆるニーズにワンストップで対応するリクサス(土井正博社長、大阪市中央区)。1961年に中央陸運という社名でトラック1台からスタートし、創業30年目には現社名に変更。現在は物流業に加えて介護という新たな事業領域にも進出している。土井一正常務に、同社のこれまでの歩みと今後の展開について聞いた。
物流分野においては1998年に運送部門を分社し、「リクサスカーゴ」を設立。2004年には流通加工部門を分社し、「リクサスパッケージ」を設立し、現在、リクサスは倉庫業に特化している。倉庫・流通加工の総面積は約10万平方mで、グループ全体の車両台数は約160台を保有する。ISO9001認証を北大阪物流センターで、同14001認証とOHSAS18001認証を阪神物流センターで取得するなど、品質、環境、労働安全衛生への取り組みにも余念がない。
食品物流や医薬品物流を得意とし、荷役配送業務の一括請負やトレーサビリティの徹底、医薬品専用保冷車を導入し、共同配送という配送モデルで顧客に高品位なサービスを提供。土井常務は「医薬品配送は難しい上に、最近ではドラッグストアが食品を扱うなど流通の枠組みも変わってきた。その分、チャンスがある。さらに拡大していければ」と考えている。
同社では各倉庫に主力の荷主がおり、DC拠点として運営している。倉庫、運送、流通加工を一括して手掛け、「請負のニーズも多く、仕事のパイは広がっている」という。「倉庫は差別化が難しい業種。その中で何をやっていくか。新しい荷筋を開拓するのか、あるいは何かに特化するのか」と先を見据える。
一方、長年の物流で培った経験やネットワークを他の分野にも生かすことを決意し、1992年からライフサポート事業を開始。介護用品のレンタルと販売、そして住宅改修を3本柱に展開する。福祉用具専門倉庫を大阪市内に保有し、府全域をカバーする四つの営業拠点から商品を配送している。
経験豊富なスタッフや最新機器によるレンタル品の消毒・メンテナンス工場などの設備を整えている。また、定年を迎えた一部の長距離ドライバーを、介護用品の配送員として再雇用している。「大型車の運転は体力的に困難だが、介護用品の配送ならやれるとの判断で、今も第一線で頑張ってもらっている」。
さらに同社は、大阪市内に認可保育所を2か所運営している。倉庫を全面改装して保育園を開園した。「長年にわたる高齢者への介護サービスで培った経験を今度は少子化に目を向け、子育て世代への保育サービスを提供することで、少しでも社会貢献していきたい」と力強く語る。
「物流事業と介護事業、保育園事業をうまくリンクさせたい」と土井常務。「例えば、営業マンの入れ替えなどで、相互の事業のつながりを出していけば、新たな気付きが生まれるかも知れない。物流、介護、保育はいずれも人材が不足している業界で、これからさらに顕著になる。どう舵を取るかが問われる」。
倉青協については、「つながりや一体感はすごい。会員の目線が一緒で、例えば災害時にも物資輸送や義援金など支援活動のアクションが早い」といい、「全国に同じ目線を持った仲間がいることが強み。これからも意見を出し合い、新しい行動を起こしていきたい」と話す。
◎関連リンク→ 株式会社リクサスこの記事へのコメント
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