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    公私混同で経営危機 境界線があいまいな部分も

    2016年9月15日

     
     
     

     上半期の日本を賑わせた、政治家の「公私混同」問題。運送事業者の経営者にとっても他人事ではない。日常の業務にも「公私混同」と思われてしまうような要素は潜んでいる。社長業は孤独であると同時に、社員から誤解されやすい一面もある。経営者に公私混同の一面がみられれば、社員のやる気が下がり、社員が不正をはたらくようになる可能性もある。実際に、公私混同だった経営者がいたことで経営が傾きかけた会社もある。今回の例を他山の石として、日々の行動を見直す必要がある。
     「中小・零細企業の社長は、大企業の社長以上に自分を律する気持ちが重要。『この程度なら大丈夫』という考えは禁物」と話す大阪市の経営者。「公私混同は、社員から見たら信頼感を失わせる大きな過ちとなる。また、社員は社長の一挙手一投足を監視しているので、経営者は普段から襟を正す必要がある」。経営者は会社が厳しい時には、損害を補填するために自分の全財産を投げ打つなど、確かにつらい一面もある。しかし、通常時には経営者であっても社員目線を忘れてはいけないということだろう。
     前任の社長について話すのは、滋賀県の事業者。会社名義のカードを私的に使うのは当たり前で、気に入らない社員は管理職でも仕事の面で徹底的に干すなど、ワンマンぶりは目に余るものだったという。現社長は「公私混同だけでなく、前社長のいい加減な対応で、荷主からの信用は一時期落ちていた。ドライバーが良い対応をしていても、トップの行動一つで取引ができなくなる」と話す。


     「人の振り見て我が振りなおせ」という諺があるように、この例のようにならないよう自分自身を振り返る必要がありそうだ。
     公私混同に陥りやすいのは、経営層に同族が多い「同族経営」だと一般的には言われている。同族経営の企業は、公私混同などのトラブルが興味本位な視点で語られがちだ。企業イメージを変えるため、あえて同族ではない従業員から管理職を登用するケースも増えてきている。「同族企業に注目が集まるのはお家騒動や不祥事のときが多く、それがマイナスイメージにつながっている」と話す経営者もいる。
     経営者の公私混同ぶりだけではない。普段の業務でも、公と私の境界線はあいまいになっている部分がある。ITの発達で、仕事はこの数十年の間に簡素化がすすんだ。しかしその一方で、公と私の線引きはあいまいになっている。
     また、「SNSが登場し、いつでも会社の人と気軽に連絡が取れてしまうことで、私生活が侵食されることがしんどい」といった例がある。実際に、企業向けのコミュニケーションツールなどを展開する企業の調査では、約半数の人が「トークアプリなどの、プライベートとビジネスでの併用にストレスを感じる」と回答している。具体的なストレスの内容は、「プライベート用とビジネス用メッセージの混在」が42.5%で最多。次いで「就業時間前後や休日など、業務時間外の連絡」が38.8%だった。便利さの一方で、ストレスを感じているケースも多いようだ。
     経営者の公私混同に話を戻すと、特に同族経営の後継者は守りの姿勢ではなく、時代の流れに合わせて、必要ならばこれまでのやり方を180度変えていかなければ、この先の成長は難しい。経営者一族が実力と合わないポジションに居座る場合や、社員を正しく評価する仕組みがなく、一族が特権階級を掌握している会社では今後、優秀な人材どころか、まともな人材すら集まらない。改革の手を緩めず成長を加速させていくことこそが、会社が生き残る秘訣ではないだろうか。
     また、経営の一部をプロに任せるのも一つの手だ。もし後継者がまだ経営のノウハウを知らない場合、一定の猶予期間を設け、プロの知識を盗むことで、経営改善を行うことが重要だ。

     
     
     
     
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