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    高齢運転者の事故対策 経営者自身の判断と対応は

    2017年6月14日

     
     
     

     トラック運送事業と切っても切り放せない「交通事故」。労災事故や交通事故など、トラック運送事業者を取り巻く環境は、絶えず安全第一が求められている。死亡労災事故については平成28年度(速報)は、前年比22.7%減となるなど減少しているものの、労災事故の半数を占めている交通事故に頭を悩ませている経営者は多い。最近、急速に進んでいるドライバーの高齢化対策も、運送事業者によって偏りが大きくなっている。
     陸災防が発表した平成28年度の労働災害状況によると、陸上貨物運送事業の死亡災害発生状況は92件(前年比27件減)で同22.7%と大幅に減少した。陸災防では「労災防止に向けたセミナーや研修など、全国的に実施してきた効果が出てきたのでは…」と指摘。「各事業者の努力の結果だろう。今後も取り組みを続けていく」としている。
     減少した労災事故だが、内容を見ると交通事故が55件で半数以上を占めている。トラックが第一当事者となった死亡事故件数も平成24年の374件から同28年の258件と減少しているが、最近はドライバーに通常の交通安全講習を受けさせるだけではなく、高齢となったドライバーへの対応も必要となっている。


     若くしてトラックドライバーとして働いてきた者にとって、高齢による体力の低下には、本人が気づかないことが多い。現在、60歳以上のドライバーの割合は平成17年9.6%から同27年には15.1%まで増加している。各トラック運送事業者も「健康診断の際に特に注意する」という話を聞くが、安全第一とはいえ、「いままで活躍してくれたドライバーの肩をたたくのは…」という事業者は少なくない。
     同じくドライバーの高齢化に悩むタクシー業界でも、全国ハイヤー・タクシー連合会(東京都千代田区)は「基本的に各事業者で対応をしてもらっている。企業規模が違えば、できることも変わってくる。勤務時間を短くしたり、夜間から昼間にシフトを変えたり、洗車機器を導入するなどして、負担を軽くする場合が多い」という。高齢過ぎるドライバーについては「安全第一で、内勤に変更したり、健康診断の結果を見て対面指導を実施している。しかし、相手も生活があるので、しっかり説得して納得してもらうしかない。本人は大丈夫と思っているので難しい」と話す。
     平成10年からは運転免許証の自主返納もスタートしているが、返納率は全国平均で2.8%(警察庁)。警察として高齢のドライバーに返納を強制できないため、返納率はなかなか上がらない。つまり、高齢ドライバーを抱えている運送事業者は、経営者自身が判断、対応するしかない。
     全国地域包括・在宅介護支援センター(同千代田区)では「地域にある専門のセンターに会社が相談し、具体的な策を考えていくしかないだろう」と指摘。高齢ドライバーの家族などから相談を受けているという守山市地域包括支援センター(滋賀県守山市)では、「家族からの相談が多いが、企業からの相談があれば受け付けている」と説明。「個人によってケースバイケースだが、運転が危ないとなれば、自身が犯罪者となり家族も悲しむ。やめさせなくてはいけない。対応できないなら専門家に相談すべきだ」という。
     同センターでは「何歳から運転が危険かというのは、認知症の発症率が高くなる年齢というのもあるが、これもケースバイケースで何とも言えない」としている。ドライバーの適性については、運送経営者がチェックするしかない。
     今後、各運送事業者は本気で高齢運転者の対策に取り組む必要が出てきている。

     
     
     
     
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