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物流ニュース
中古車市場の動向 高年式が高値で推移
2017年8月4日
日本自動車工業会が2016年度に実施した「普通トラック市場動向調査(全国のトラックユーザーと荷主を対象にアンケート)」によると、国内全体の総輸送量は減少傾向が続くなか、普通トラックの新車需要と保有台数は回復基調にあるという結果となった。
同調査では、大規模事業者を中心に高い購入意欲が維持されていたため、2016年度の需要予測は普通トラックが17万6000台(前年比105.1%)で、うち大中型トラックは9万5000台(同107.2%)になると見込まれた。(4月24日現在で最終結果は未発表)。
2017年度は、公共投資の下支えと底堅い買い替え需要のため、普通トラックの需要は17万7000台(同100.6%)、そのうち大中型トラック需要は9万5000台(同100.0%)と見込まれている。
新車市場は今年に入って、各メーカーが大型トラックの新型車を相次いで投入している。今年から本格的な強化がはじまる排ガス規制や安全対策に伴うモデルチェンジで、販売価格も100万円以上の値上げとなった。
大規模運送事業者ではここ数年、新車の発注が続いている。協力事業者の深刻なドライバー不足で、ドライバーの確保を自社で行う社内物流への切り替えを進めているからだ。近年、新車の納期に時間がかかる原因の一つとなっている。
一方、中古トラックの市場では海外需要が、やや減少傾向となっており、国内需要は横ばいの状況が続いている。新車市場の値上げや納期に時間がかかっていることで、中古トラック市場に影響があるのか、また、対策を立てている中古車ディーラーはあるのだろうか。
中古車ディーラー対象のオートオークションを開催している中古自動車販売協会連合会の東京都中古自動車販売商工組合によると、「新型車が出ているため、下取りは増えてきている。取引価格は前年比3~4%上がっている」という。
新型車の値上げによる影響について、Nentrys(ネントリーズ)が運営するトラック王国(津島一夫社長、東京都渋谷区)は、「中古トラックの買い取りや販売価格の変動はない」としており、上野自動車(上野栄利社長、兵庫県尼崎市)も、「中古車の価格は例年通り変動はなく、国内需要も横ばいで推移している」という。
このほかの中古車ディーラーでも、中古トラックの販売価格については例年通りで変動していないことが確認されており、新型車の値上げは中古トラック市場には現時点で影響はないようだ。
中古車両の相場には特に動きはないものの、「オークションベースでみると、装備品などで新車が高くなる前に、装備のない中古車両を手頃な値段で購入する動きが多い」と、リアライズコーポレーション(今福洋介社長、東京都港区六本木)の物流支援事業「qlov(クロブ)」はみている。
トラック市全国FC本部(小川広太郎社長、埼玉県川口市)では「新車の納期問題で中古車両の需要は高いが、大きな価格の変動はない」とし、「高年式のものでも衝突被害軽減ブレーキを装備しているものは、高値のままで販売されている」という。
また、海外需要について、栗山自動車工業(栗山義広社長、東京都江戸川区)によると、一時期に比べ、フィリピンやミャンマーなどの注文が減ってきているため、「輸出は前年比2~3割下がっており、特に2トン車は半値となっている」と話している。
中古トラック市場では、海外で需要のある低年式のトラックは値が下がっているが、高年式のものは価格の変動はなく、高値のまま推移している状況だ。この記事へのコメント
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