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物流ニュース
萠運輸 カンボジアでリサイクルショップ経営
2017年8月15日
【北海道】萠運輸(近澤洋太社長、苫小牧市)がカンボジアに現地法人「モエトランスポートカンパニーホッカイドウ」を設立し、リサイクルショップ「しろいとり」を開店してから、7月で3年が経過した。
リサイクルショップは現地スタッフ10人を雇用し、売り上げも安定、黒字経営で堅調な成長を遂げている。3周年を記念して7月には、近澤社長ら同社幹部が現地入りをし、ショップの全面改装を行い、同8日にリニューアルオープンする。
近澤社長は「カンボジアという国も、小売りという業態も知らない中、インスピレーションで始めたが、あっという間の3年間だった。現地のビジネス環境がわかり、人脈もできてきたので、まずは2店舗目のオープンを近く検討している。中長期的には、カンボジア以外のタイ、ベトナム、ラオスなど東南アジア諸国を視野に入れ、製造業や運送業など幅広い展開をしていきたい」と語っている。
同社は「トマト引っ越し便」として引っ越し事業を開しており、「引っ越しの際、捨てられるものが多く、もったいない」と気になっていたため、当初は「これら不用品を現地のショップに販売することを検討していた」という。
しかし、「商品の出口をはっきりさせた方が、安心して不用品の調達ができる」と考え、自らリサイクルショップの経営をすることを決断した。
現在、苫小牧市を中心に不用品を調達し、毎月40フィートコンテナ2本のペースで現地に輸出している。今年5月末まででコンテナ65本、約550トンの商品を輸出し、販売してきた。不用品の出口がはっきりしているため、安定した商品の調達が可能になっている。
現地店舗内の映像は、インターネットを通じてリアルタイムで見ることができ、商品の売れ行きを確認できる。また、毎日の売り上げは現地スタッフからSNSで報告を受けている。
「日本の製品は人気が高く、毎日100人以上のお客様に来店していただき、平均3万ドルの売り上げとなっている。日本ではゴミとなってしまう不用品を、これだけ売ることができ、現地で雇用もできた。スタッフは満足して働いてくれ、商品が入荷するとSNSなどを通じて友人にPRしてくれる。給料も周りの水準よりも高く、いい商品は自分たちが先に購入してしまうので、次第におしゃれになっている」と笑う。
苫小牧市民には、「本業の運送よりも、カンボジアでのリサイクルショップのイメージが強くなっている」と近澤社長。そのため、「ちょっと変わった会社」「面白そうな会社」などと認識され、「トラックドライバーや倉庫作業員の雇用の面で非常に良い効果が出ている。また、引っ越しでも『不用品を引き取ってもらえるなら、おたくにお願いしようかな』という顧客も増えている」と話す。
近澤社長は「挑戦をしていかないと会社はマンネリ化してしまう。カンボジアの事業を通じて、全く未知の世界で、未知の人たちと交流すれば、本業もよくなっていくことを実感できた。我々のような中小の運送会社でも、海外に目を向けたビジネスの展開が必要な時代になっている」と手応えをつかんでいる。
◎関連リンク→ 株式会社萌運輸この記事へのコメント
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