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    北海道 独自の物流制度を求める声が高まる

    2017年11月21日

     
     
     

     北海道の物流関係者から昨今、「物流に関する独自の規制・制度」を求める声を多く聞く。
     北海道は、全国の約22%の面積の中に、全国の4%あまりの人口しかおらず、人口密度は全国平均の約5分の1。札幌市に人口の4割近くが集中し、一極集中の度合いが毎年高まり、地方の過疎化が進んでいる。
     また、都市間の距離が全国の2倍程度と長く、広域分散型の地域構造となっているものの、高速道路などのインフラ整備が遅れており、積載率や実車率が低いまま、長時間の運行を余儀なくされるケースが少なくない。「札幌周辺から地方への運行は赤字で引き受けたくない」という声も多く、物流の高コスト構造に悩む声が絶えない。


     このため、道内の物流関係者の間では、持続可能で効率的な物流を実現するための方策を模索する動きが増えている。しかし、現状の法令や規制がネックとなり、短期間での実現は望めない状況だ。
     運送業界専門の行政書士の佐々木ひとみ氏は「道内都市間の長距離運行では、改善基準告示に定める4時間以内の連続運転時間は実情にあっていない」とする。「例えば、札幌から釧路まで運行すると、着地の手前で30分の休憩を余儀なくされるケースがある。ドライバーの負担を考えると、4時間を少し超えたとしても、先に荷物を降ろし、その後に休んだ方が心身ともに楽かもしれない。道内の都市間輸送では、信号機がほとんどないような一本道が多く、都市内の運転とは疲労の度合いが異なるはず。連続運転におけるドライバーの疲労度を科学的に検証し、地域にあった規制のあり方を見直すべきではないか」と疑問を呈している。
     札幌市の運送事業者は、過疎地域での物流サービスの維持のためには、「営業トラックの1人親方制度が必要」と提起する。同氏は、北海道の物流ネットワークの維持のためには、各地域に物流拠点を配置し、拠点間の輸送はダブル連結トラックなど大型車両での共配により効率を高め、拠点から過疎地域への集配は2トン、4トン車など小型の車両で行う効率的な仕組みが必要と考えており、「その際、過疎地域の物流量や人材不足を考えると、車両5台を抱えることが将来的に合理的ではなくなる。それなら1人親方の営業トラックを認めて、地域の集配を担ってもらうのが効果的。過疎地域に限って『1人親方特区』を設けるべき」と主張する。
     また、既に道内各地で進められている「貨客混載」について要件の緩和などを主張する声もある。9月から旅客自動車運送事業と貨物自動車運送事業の許可がある場合、一定の条件の下で両事業の掛け持ちを可能とすることが認められているが、札幌市の事業者は「現状は、宅配の荷物を路線バスに乗せるモデルしか実現できていない。過疎地域でもっと貨客混載をやりやすくすべく、事業許可やドライバーの免許に関わらず、優良ドライバーに限って、一定の研修を受けた場合、すぐに貨物も客も乗せられるようにすべき。せめて、安全性の検証を兼ねて実証実験を行ってほしい」としている。 
     また、「過疎地域におけるJRの路線維持が難しくなっている北海道だからこそ、旅客鉄道に貨物を積極的に乗せ、JR北海道に幹線輸送の多くを託すべきではないか」と話す物流事業者もいる。
     神奈川大学の中田信哉名誉教授は「北海道の物流事業者と話すと、過疎化や少子高齢化が全国に先んじて進んでいることから、日本の将来の物流モデルを考えるため、規制などを別扱いにする『北海道独立論』『物流全域特区』といった話題が出てくる。例えば現在、世界の主流となっている45フィートの海上コンテナは、本州などでは走れる場所が限られるポジティブリスト方式となっているが、広い北海道では走れない場所のみを決めるネガティブリスト方式にすることも有効ではないか。北海道は地域が点と点でつながっているので、この地域にあった基準で考えてみると、新しい物流のモデルができる可能性がある」としている。

     
     
     
     
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