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    点呼ロボット試験導入 運送会社とソフトバンク

    2018年2月13日

     
     
     

     法令に定められた点呼とは別に、AI(人工知能)などの先端ロボットを用いる形の点呼を、実質的な輸送上の安全対策に導入しようという取り組みが運送会社の間で始まっている。

     昨年暮れに試験導入した「牧田運送」(牧田英明社長、兵庫県尼崎市)では帰社したドライバーが、運行管理者に見立てたヒト型ロボットの「アルコールチェックは終わっていますか」などの質問に対し、「はい」のボタンで応答している。牧田社長は、「健康時の顔や具合の悪い時の顔をAIにあらかじめ認識させ、ロボットがドライバーの体調認識ができるようにするなどの改良を重ねたい」と意欲的に話す。

     写真は、同社の点呼場。小学校低学年の児童ほどの背丈の白い人型ロボット「ペッパー」(ソフトバンク製)が、一段高い台の上で起動した。ほどなく、ペッパーの胸に据え付けられたモニター画面も起動し、ペッパーからアニメの声優が発するようなセリフが。「社員番号を入力してください」「アルコールチェックは終わっていますか」「運行中、異常はありませんでしたか」…。モニターにもセリフと同じ文字が出る。帰社したドライバーはモニターの「はい」や「異常ありませんでした」を押していた。

     同社やソフトバンクによると、ロボットそのものは既成品だが、セリフやモニターに映し出される文字を操るソフトは両社が膝詰めで約3か月かかって開発した。

     共同開発を持ち掛けた牧田社長によると、点呼を人工知能で代替できないかという発想は、点呼主体となる運行管理者を確保することが、特に夜間は難しいという事情があった。加えて、高速道路のパーキングエリアで突然死状態で発見されたドライバーが昨年出たこと。「きちんと健康管理ができないと、そのうち大変なことになる」と切実に感じた。

     1月中旬。同社にソフトバンクの担当者が訪れた。牧田社長は、「点呼スタート時の顔認識機能」「アルコール検知器にゼロ以外の数値が出れば、『出発しないでください』とペッパーがセリフを出す機能」「簡易式の健康診断機能」の3点を付加した機能を、現状のペッパーに持たせるソフト開発を提案。臨席したソフトバンクコーポレート営業本部の長坂吉晃氏らは、血中の酸素濃度を数秒間で測ることのできるパルスオキシメーターなどを付加してペッパーと組み合わせることで、法令で求められる対面点呼以上にドライバーの健康状態を把握できるのではないかといった見解を示した。今後、両社は3機能を付加したソフトを開発することで合意した。

     ソフトバンクの長坂氏は、「法令で求められる対面点呼を補てんするというのが我々のスタンス。両社の開発したソフトを、運送業界にリーズナブルな値段で供給していければ」と話す。

     同じ兵庫県の「ジャパントラック大阪」(金築勇次社長、伊丹市)。同社はグループ会社を通じてソフトバンクとの間に、法人向けの「ペッパー・フォー・ビズ」の販売代理店契約を昨夏に締結。それというのも、「運送業界で問題となっている夜間点呼にペッパーを応用できないか」(金築社長)との発想が根底に。牧田運送と、まさに同時の発想である。

     金築社長によると、「休日明けの勤務ですが、眠くないですか」「睡眠障害の可能性もあります。ゆっくり休んでください」といったセリフが、AIロボットから発せられることも念頭に、国交省による点呼マニュアルを参照して開発しているという。

     同社長は、役員経験もある「日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会」が3月初旬に開く大会に、点呼ロボットを出品することを検討しているという。同社長は、「点呼がロボット化できれば運行管理者を休ませることもでき、働き方改革につながる。実験が進む大きなトラックを無人で走らせることよりも、ロボット点呼の実害は少ないのではないか」と話している。

     
     
     
     
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