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物流ニュース
弁護士通じ未払い賃金請求 元ドライバー、退職了承したのに
2019年2月7日
荷主からのクレームが多く、勤務態度も悪いドライバーに退職を求めたところ、ドライバーも了承したにもかかわらず、退職願いや社会保険証などの返還にも応じず、会社に対して「未払い賃金を請求する」などと言い放ち、退職した後、数か月が経過してから弁護士を通じて未払い賃金を請求してきた。大阪府に本社を構える運送A社は保有台数が約20台で2トン・4トン車両で雑貨の配送を行っている。問題のドライバーは過去に同社で勤めていたが退社し、その後、他社に勤務していた。しかし昨年、再び同社への勤務を希望してきたという。
人手不足の関係から同社では、以前に勤務していた時はドライバーとして問題なかったため、入社を了承したが、働き始めると、ベテランと自負したドライバーは荷主に対して様々なクレームをつけ、ひどい時には「こんな仕事してられない」などと、荷主を侮辱するなどがあったため、A社に荷主から苦情や出入り禁止を求められた。
このためA社は、このドライバーに態度を改めるよう根気よく言い聞かせ、他の輸送を行わせたが、やはり勤務態度も悪く、荷主からクレームも多いため再び出入り禁止になった。同社では配送先や荷主を3度も変更し、次に同様のことがあれば、同社で働くことは難しいと警告していた。しかし、新たな配送先でも勤務態度が非常に悪く、昨年11月に退職を求めたところ、一度は納得したが、12月初旬までは退職に対して納得がいかないとしながらも問題なく退職した。ところが、1月末に突然、弁護士を通じて未払い賃金の請求を行ってきた。
A社経営陣は「人材が不足する中で、当社も根気よく言い聞かせ、さらには彼が勤めやすい配送を考えてきたが、どの荷主も彼の勤務を拒み、最終的には取引を取りやめると言った荷主も出るなど、当社としては経営にも大きく影響することから、繁忙期前に退職してもらった。2台同じところに配送に行く業務で、1人のドライバーは夕方に帰社しても、本人は積み下ろしや違う道で帰社したことを理由に、他のドライバーより2時間程度遅く帰ってくるなど、残業時間が他のドライバーよりも多くなっていた。そういったことも注意するが全く聞かず、故意に遅く帰社しているようなこともあり、今考えれば早い段階で対応すべきだったと思っている。しかし、弁護士を通じて請求がきた限り、当社も念のために弁護士に相談し、対応して行く」と話す。
未払い残業代については、A社でも十分注意していたが、やはり時間外労働が一般企業に比べて多いことや、一度会社を出ていくとドライバーの管理は難しく、同社は今後、弁護士を通じて同ドライバーと争う考えのようだ。
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