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    どのような形で提示されるのか 情報少ない「標準的な運賃」

    2019年3月28日

     
     
     

     「運賃表というような形では、おそらく出さないと思う。告示ですから。どのような形かは、これから検討されていく」。西日本のあるト協会長は、「標準的な運賃」について、ト協役員からの質問に答える形で話した。長い間、運賃表という与えられた規範のない制度が続いたトラック運送業界の運賃。そこに「標準的な運賃」を定める権限が国交大臣に付与されたのが、昨年末の事業法改定の目玉だった。トラック乗務員不足に悩む事業者は、どのような運賃の形が「標準的」とされて目の前に提示されるのかに期待する向きが多いが、情報量は反比例して少ないのが現状だ。

     写真は、神戸市内の事業者の入り口付近に張り出された運賃表。「平成11年3月26日自貨第39号通達に基づき公示された」との一文が表の右肩に読み取れる。

     平成11年当時、運賃は今の事後届け出とは違い、事前届け出制だった。事業者により届け出された運賃を事前に審査するにあたり、原価計算書を添付しなくても受理される上限(範囲)を定めたものだった。

     制度は同15年に事後届け出に変わり、行政庁による審査がなくなった。それに伴い通達も出されなくなり、運賃、及び運賃表の公示がなくなった。

     こうした事情を踏まえ、あるトラック事業者は指摘する。「原価計算書の添付が省略できる上限範囲を示すものであれ下限まで示したものであれ、原価をもとにはじき出した数字が運賃のはずで、そうでなければ運賃に正当性の根拠を持たせることができない」。つまり、原価と数字が運賃には必要、ということだ。

     こうした当然の見方は、行政庁の職員からも発言が聞かれる。3月11日の「取引環境・労働時間改善兵庫県協議会」で、近畿運輸局の職員が事業法の改定に触れた。標準的な運賃に関して職員は、「説明しても理解してもらえない荷主に、標準的なコストを具体的な形で示そうと。ただ、運賃制度は事後届けで拘束力はない。コストが見えてくると説明がしやすいし、コンプライアンスの検証も可能」。要は、事業者のコストや原価を可視化し、拘束力よりも事後の検証可能性に重きを置く、という考えだ。

     ただ、こうした考え方はともかく、事業者にとってはトラック乗務員確保策としての運賃引き上げに、交渉力があるのか、そしてどのような取引の場面にも適用可能なものかどうかが最大の関心事だ。

     神戸市内の事業者は、「平成11年の運賃表(写真)の上限額と比較して、今の運賃はやはり2割程度低い。運賃がこうした表で示されれば荷主にも交渉力が持てるし、走行距離と要した時間に応じて請求しやすいと思う」と話す。

     国交省貨物課は標準的な運賃の示し方に関して、「いろいろな示し方があると思う。どのようなくくりが分かりやすいか、実態に即しているのか、標準的というからには、それを丁寧に追っていくために、各事業者の決算データを集めていきたい」などと話している。

     
     
     
     
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