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    サントリー 環境緑化事業に参入、物流施設の屋上緑化にも

    2008年4月25日

     
     
     

     サントリーが「midorie(ミドリエ)」のブランド名で、環境緑化事業に本格的に乗り出した。独自の屋上・壁面緑化システムによって作り出される「緑の屋根」「花のかべ」で街を彩る。
     物流施設は、「出入りするトラックが排ガスをまき散らす」と、一方的なイメージだけで近隣住民から疎まれてしまう。このイメージの払拭、そしてヒートアイランド現象対策として、大型施設を中心に物流施設でも屋上緑化を採り入れる動きが広がっている。サントリーの新たなシステムは、この動きをさらに加速させるとみられる。同社R&D推進部の金山典生環境緑化部長に話を聞いた。


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    簡単に「緑の屋根」をつくりあげる(写真は東京ミッドタウン)
     同事業は、土の代わりに「パフカル」という新素材を使って植物を育てる。「軽い」「よく育つ」「取り扱いが簡単」の3点が特徴の同素材は、同社が飲料の研究開発を行う中で積み上げたバイオテクノロジーと化学の技術をもとに、独自に開発したものだという。
     金山部長は、「植物を元気に育てるための素材」と同素材を説明。「水と空気を多く含むことができるため、根の生育に良い」という。
     また、土を使った屋上緑化の課題として、「屋上に土を敷き詰めると非常に重量があり、耐荷重の少ない屋根では行えない」というものがあった。しかし、「パフカル」は1平方mあたり40kgという軽量を実現。既存施設での栽培も可能だ。
     さらに、風雨で流されたり、飛ばされたりすることがなく、「都市での緑化事業に向いている」と同部長。もちろん、「実験により、高い断熱効果があることも報告されている」ため、冷暖房コストの削減も期待できる。
     給水トレイの上に「パフカル」の入った植栽ユニットを敷き詰めて花壇を作り、そこで苗を育てる仕組み。ユニット(1ユニットは52cm四方)の連結により、あらゆる面積に対応する。また、電池式の水位センサーによって自動で給水が行われるシステムで、植物を枯らす心配もほぼない。
     なお、苗は目的や環境、周辺のデザインに合わせて、選ぶことができる。「ヒートアイランド抑制にオススメなのはテラスライム。効果は芝生の2倍」と同部長。
     価格は、「1平方mあたり2万5000円から3万円程度。灌水装置の設置工賃を含めても、3万5000円以下で収まる」。これは、土を使った従来の屋上緑化と「ほぼ変わらない」費用という。
     本格発売に先行し、「ミドリエ」はすでに多くの施設で見ることができる。現在のところ、東京ミッドタウン、丸の内オアゾなど、景観を重視するトレンドスポットへの導入が目立つが、同部長は「物流施設からの引き合いも多い」と明かす。「施設に緑を施すことで、イメージアップにつなげたいというご要望が多いようだ」。
     メンテナンスのサービスも充実しており、スタッフが月1回程度訪問して装置のチェックなどを行う。「植物をずっとキレイ、元気なままに保つためのフォロー」。費用は、「1平方mあたり1000円程度」という。
     壁面緑化も「パフカル」を使用し、基本的な仕組みは同じ。給水タンクを備えた縦長の棚状ユニットで花を栽培する。「オフィスの受付背面などに置けば、訪問客に良い第一印象を与えることができるはず」。プランタータイプのものであれば、ビルの壁面や施設のフェンスにも適用が可能。同部長は「駐車場や車庫で栽培すれば、近隣住民からのイメージもアップするはず」と話す。
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    金山部長
     詳細は同社HP、http://www.suntory.co.jp/

     
     
     
     
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