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    バイク便が「メディア企業」への転換図る 大阪・リンケージ

    2008年9月26日

     
     
     

     大阪のバイク便業者が、メディア企業としての展開を模索している。稼働するバイクや自転車などに企業から広告を募るのはもちろん、荷物の配達先などで商品紹介のチラシを手渡す戦略を検討中だ。
     道路を走る車両広告が不特定の人々に訴える力があることは、これまでにも各方面で模索されてきたが、事故を起こした場合などに抱える負の側面を広告主が敬遠することもあり、車体への広告は大きく広がってはいない。それでも業者は、バイク便広告を「大阪の文化にしたい」と話している。


     「希望マッチング企業=広告スポンサーやメディアミックスに関心のある他メディア、新規事業に関心のあるコラボレート先」。「物流」の事業範疇から、およそかけ離れた宣伝文が目を引く。大阪市の外郭団体が運営するビジネス交流会に、バイク便のリンケージ(東正高社長、大阪市北区)が18日、出展した触れ込みだ。
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    東正高社長
     メディア広告といえば最近まではテレビ、新聞、ラジオ、雑誌といった大手4媒体の事実上の独壇場だった。ここ10年は、これにインターネットが加わったことで、広告市場は流動化に拍車がかかった。現在、そして潜在する顧客にピンポイントでいかに訴えられるかが広告主の関心となっているのだ。同社も、ここに活路を見出す。
     同社はこれまでにも、情報の媒体として活動してきた経緯がある。数年前、バイク便の顧客だった映画配給会社から持ちかけられた相談がそのきっかけだった。「あまり宣伝費はかけられないが、なんとか映画を広めたい」。
     同社は、配給会社に映画のチケットを100枚用意してもらった。同時に、同社は映画宣伝用のチラシを用意。チラシには「50組100名に鑑賞券が当たる」と記載し、バイク便の別の顧客先に映画の説明などとともに配って回った。
     固定、スポットで便を使ってもらう顧客先は数百件に上る。ほとんどの窓口の担当者が、口コミ上手な女性だったことも幸いした。同社営業部の深志和也係長は「配給会社の顧客満足につながった」と話す。
     バイクの荷台にも、映画宣伝ポスターを張り付けた。もっとも、これは「タイアップキャンペーン」の一環でしかなく、年間数回あるこうしたキャンペーンで料金を取ったことはない。
     お金を取れるメディア企業への脱皮を図りたい──。交流会への出展はそのきっかけ作りだ。既存の広告形態に飽き足りない広告主や代理店をも巻き込み、例えばバイクの後ろにのぼり旗を立てたら──などを提案していければと考えている。深志氏は「業界団体でも取り組み、バイク便広告を大阪の文化にしたい」と、お金と文化の両立をめざす。
     同社が足元を見直すとき、メディア企業として存立する強みのキーワードは「現場」だ。インターネットのブロードバンド化が進んだ影響で、データの即日配送が減少し、かわって現場の写真を撮ってきてくれないかといった便利業的側面が見直されている。バイク便が業界構造としてもつ一つの側面だ。
     こうした現場を踏むことはもちろん、荷受けや配送先で人と顔を合わせるとき、同時に人間関係という情報も交換している。フェイス・トゥー・フェイスや口コミというメディアの原型が同社のメディア構想を支えてきた。そうした基盤をもとに考えている。(西口訓生)

     
     
     
     
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