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    韓国物流視察レポート(3)浦項港 新たな物流モデルを構築

    2008年9月30日

     
     
     

     韓国東南部の慶尚北道は産業の集積が進んでおり、住民1人当たりの国民所得が3万ドルを超える国内屈指の豊かな地域だ。同地域内の浦項市は李明博大統領の出身地で、世界的な鉄鋼メーカー・ポスコの本社と工場の所在地でもある。
     韓国有数の工業地域である半面、効率的な物流インフラの整備が遅れ、今後の物流ビジネスの展開が期待されている。浦項の迎日湾港は、環東海のビジネス中心ポートとして09年8月の竣工を目指し、国際コンテナターミナルと背後物流・産業団地、交通インフラの大規模な開発が進められている。


     浦項迎日湾港国際コンテナターミナル(PICT)は09年8月の竣工に向けて整備を進めている。総面積は60万平方m。コンテナターミナルの岸壁の長さは1000m、3万DWT級の大型船舶4隻の同時接岸が可能。コンテナヤードの積載容積は3万5000TEU、年間処理容積は51万5000TEU。冷凍、冷蔵、危険物コンテナなど特化されたコンテナヤードを運営する。
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    PICTは来年8月に竣工予定
     ウェアハウスは6780平方mで、最新鋭のコンテナオートメーション化運営システムにより、物流処理時間の削減を図る。RFIDの活用も視野に入れる。
     また、シベリア鉄道(TSR)、中国横断鉄道(TCR)と連結されるコンテナ積み替えヤードをターミナル内に設置、世界中にコンテナ貨物を運搬する輸送網を整える。
     港湾背後団地は13年までに整備する予定。延べ面積は69万4000平方mで、組み立て、加工、保管、ラベリングなど国際物流に関連する業務を行う企業を誘致する。「釜山よりも安い価格で分譲する予定」だという。
     背後産業団地は15年までに583万2180平方mを整備。先端工業や造船関連、自動車、繊維などの各種メーカーを誘致する。既に第2団地(72万6410平方m)、第3団地(30万4200平方m)の分譲は終了している。
     08年中にコンテナ埠頭も含めた港湾背後団地は自由貿易地域(FTZ)、背後産業団地全体は経済自由区域(FEZ)に指定される予定。ここでは税制優遇や関税免除、賃貸料減免などの特典が与えられ、企業の活発な事業展開を支援する。
     PICTの現状は、来年8月に向けて埋め立てや道路整備などを進めている途中で、まだ開発段階だ。日本の物流関係者からは「現段階で物流拠点としての評価は難しい」との声が多かった。ポスコをはじめ、様々な生産拠点が集積しているものの、巨大な国際コンテナターミナルである釜山と地理的に近いことから、釜山とバッティングしない「新しい物流モデルの構築」が求められる。
         ◇
     PICTは11月に日本で物流企業、荷主企業などを対象として懇談会・フォーラムを開催する予定。ここで同ターミナルの将来性、有用性を見極めることが出来る。(玉島雅基)

     
     
     
     
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