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射界
2020年2月10日号 射界
2020年2月24日
「百年目」。企業の百周年記念のことではなく、「ここであったが百年目」の方である。滅多にないチャンスのことでもあり、悪事がばれたときや運の尽きといった、善悪両方の意味で使われる。浮世草子「好色盛衰記」ではいい意味で、井原西鶴の「西鶴諸国ばなし」では悪い意味で使われている。
▲仇を討つ方には好機であっても、討たれる方にはたまらないということになる。「送料無料」といっても、買い物をする方にはいい意味だが、送料を負担する側にとっては「たまったものではない」ということになるのだろう。運送事業者にとっては「送料無料」はだれかが負担することと同じ意味なのだが、送料は必要ないと考える人が多すぎるようだ。
▲「縁の下の力持ち」という言葉があるが、当初は「人の見えないところで無駄骨おりをする」というマイナスのイメージで使われていたが、現在では「人目につかないところで役立つことをする」という意味に変わった。日本人が好きなイメージに言葉の意味を変化させていったのだろう。運送事業者にもそういったイメージを持っているのかもしれない。
▲物流は見えないのではなく、見えにくいだけだ。それを見えるようにするためにも、「送料無料」ではなく、「送料は当社が負担」にするべきだろう。日本人の持つ「送料」のイメージを変えるためにも、これは必要なことではないか。「送料」をだれかに押し付けるという行為からは、残念ながら「物流は大切だ」という思いはまったく伝わってこない。
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