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射界
2020年2月17日号 射界
2020年3月2日
「万能」。すべてにすぐれていること。なんでもできること、という。万能の人間というのはなかなか目にする機会がないが、最も有名な人物としては、レオナルド・ダ・ヴィンチだろうか。画家としても有名だが、彫刻や建築でも名を馳せている。築城や土木、解剖学にも通じて、ヘリコプターの原理を考え、哲学者としても一流だった。
▲日本で言えば葛飾北斎だろう。「富嶽三十六景」や「北斎漫画」を描いた画家である。浮世絵のほか版画、銅版画、ガラス絵などに精通していたという。生涯で3万点以上の作品を発表し、自身の名前を30回も変えている。また、88歳の生涯で転居を90回以上もしており、1日に3回も転居したことがあるという。
▲古くは聖徳太子も「万能」の人であったようだ。厩戸皇子とも呼ばれて、10人の人間の請願を同時に聞いたという伝説や、都から信濃まで飛翔したという伝説も残っている。日本に仏教をとりいれ、冠位十二階や十七条憲法を定めたことで知られている。しかし、その伝説の多さから、一部では本当は実在しなかったのではないかという説もある。
▲物流業界で言えば、ヤマト運輸の元社長・故小倉昌男氏ではないだろうか。物流業界では当たり前の話だが、「クロネコヤマトの宅急便」の生みの親でもあり、宅配の配送網を全国に広げた功労者である。民間で個人向けの小口配送サービスなどは、だれも考えつかなかった。いまのネット通販の拡大を支えているのは小倉氏の功績といってもいい。
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