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  • 射界

    2017年1月30日号 射界

    2017年2月3日

     
     
     

     「口は閉じておけ。目は開けておけ」と、昔の人は仲間との付き合いについて教えたものだ。生活の場か職場かの違いはあっても、人間関係をスムーズに保つための秘訣を表しており、お互いが穏やかに打ち解けて語り合える様子を求めての言葉だ。そこには相手を公平な目で観察し、微笑みと沈黙を添え…との思いがある。



     ▲とかく女性はおしゃべりとの印象が強いが、男性でも「負けじ」と話の渦中に割って入る御仁がいる。最初は歓迎されても、やがて敬遠されるのがオチ。そんな人に限って、話のゆくえは自慢話になるから周囲は困惑する。男性は、どちらかと言えば口数が少なくて、言うべきときは言うというほうが信頼される。しかし、肝心な時にも寡黙を崩さないのは、意見のない人と誤解される。

     ▲そう言えば最近の力士はよくしゃべる。苦節15年、念願かなって横綱を仕留めた稀勢の里も寡黙な印象が強い。だが千秋楽の取組で白鵬を破っての優勝の喜びは多弁ではないが、喜びがよく伝わる話し方で、かつてハワイ出身力士として人気者だった高見山のしわがれ声とは大違いの普通の語り口が印象的。大関在位31場所とあって横綱昇進を待ちあぐねた地元ファンの熱狂も当然である。

     ▲伝え聞くところによれば、稀勢の里は中学卒業の文集で「天才は生まれつきです。もうなれません。努力です。努力で天才に勝ちます」と記したという。稽古の厳しい鳴戸部屋(現田子ノ浦部屋)に入門、「おしん横綱」といわれた亡き隆の里にしごかれ、現在の地位に昇りつめた。まさに「口を閉じ、目を見開いて」の猛稽古が花開いたといえる。「努力で天才に勝った」ことを実証した。

     
     
     
     
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