-
射界
2017年8月21日号 射界
2017年8月17日
「曖昧な言葉はウソの始まり」という格言がある。問題が提示されたとき、まず言葉によって自分の意見を相手に伝えなければならない。音声による言葉であれボディ・ランゲージであれ、問題の核心を理解したうえでの意思表示だ。それが問題解決への歩みとなって、そこからお互いの言葉によるやり取りが始まる。
▲以心伝心という手法もあるが、そうなるまでには双方の理解度が問題で、一般には、そんな関係にあるとは言えない。やはり言葉をぶつけ合う過程を経て、相互理解が生れてくるものだ。もちろん多弁である必要はない。場合によっては多弁ゆえに、あらぬ誤解や曲解を生じる恐れもあるので、むしろ避けるべきかも知れない。時には言葉の省略や沈黙もあるが、使い方が微妙である。▲恋人同士なら、お互いが黙っていても心は相通じ合うだろうが、ビジネスの世界ではそうとは言えない。沈黙が拒否を表したり、黙認と受け取りかねないからだ。ある意味、利害相反する問題を挟んで沈黙することで、問題解決あるいは妥協の道をふさいでしまうかも知れない。解決に必要なのは言葉のやり取りで、曖昧さを残した言葉をいくら繰り返しても、相手の納得を得ることは難しい。
▲最も気を付けなければならないのが「売り言葉に買い言葉」だ。問題が膠着状態に陥ると、焦りの気持ちから乱暴で強い語調になりやすい。しかし、少々乱暴な表現であっても言葉遣いを丁寧に、相手の気分を損ねない程度の言葉遣いであれば、相手も丁寧で穏やかに受け答えしてくれる。ましてや相手が弱い立場の場合は特に注意が必要だ。要は、曖昧な言葉で困惑させないことである。
-
-
-
-
「射界」の 月別記事一覧
-
「射界」の新着記事
-
物流メルマガ