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射界
2018年5月14日号 射界
2018年5月21日
第一が「不測の事態に備えよ」とあり、第二に「法律を踏み外すな」、第三は「安逸に流されるな」、第四が「楽しみに溺れるな」、第五は「優れた人材に任せなさい」、第六が「悪事を取り除く態度を貫け」、第七として「新事業開始には計画を練れ」とある。中国の古典『書経』にある経営の戒めだ。
▲いま読んでも色褪せていない。業績が悪いと誰もが気を引き締めて用心するが、少し上向くと安心して油断するのが人の常。先が読めない現代にこそ必要な戒めだ。人は追い詰められると前後の見境なく暴走して法を犯しやすい。今様に言えばコンプライアンス経営を執行しなさいと教えている。次に、平穏無事に慣らされてチャレンジ精神を失うなとも戒める。
▲経営者にはストレスが溜る。楽しみで発散することがあっても溺れるなという。まさに同感。ゴルフのスコアが上がっても経営とは無縁だ。もちろん、経営は独りではできない。優れた人材を育て、ある程度までは任せることだ。社員の働きがあって経営は成り立つ。信頼して任せよう。任せたら口出しを慎み、もし悪事を働く者がいたら容赦なく懲戒することだ。
▲そして最後に、少しでも不安材料があれば安易に実行に移してはいけない。経営規模の大小を問わず経営者は、常に右か左か、進むべきか退くべきかと、厳しい決断を求められている現実がある。経営者の決断いかんで企業の命運が左右されるからだ。『書経』にある「疑謀は成すなかれ」とは、確かな情報もなく希望的観測に走っては危い、熟慮せよと戒める。
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