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射界
2019年9月2日号 射界
2019年9月16日
京都・本能寺の変で、悲劇的な最期を遂げた武将織田信長は、どんな戦いに臨んでも妥協を許さない徹底ぶりを見せて勝利を手にしてきた。歴史に残る桶狭間の戦いがそうだ。軍勢では比較にならない少人数なのに、合理的で独創的な近代的戦法を駆使して勝利を収めた。常識の埒外にある戦法だ。
▲ビジネスも〝戦い〟である以上、ときには常識を超越した創造(想像)力を駆使して臨むくらいの覚悟が必要だ。もちろん、プロジェクトのリーダーが覚悟を固めるのは当然として、それに参加する全てのスタッフにも必要な覚悟であるはずだ。一般的に成績の良い人物を優先的に選びがちだが、この場合は、豊かな創造力を秘めた人材を優先的して選ぶべきだ。
▲力量があると自負する余り、人はときとして何事にも〝力づく〟で屈服させようとする。しかし、史実を反芻すると「力で屈服できなかったライバルが、人間的で寛大な処遇によって軍門に下った例は多い」と知る。明治維新のきっかけとなった江戸城明け渡し交渉で、幕府側の勝海舟と政府軍の西郷隆盛が無血開城で合意し、江戸を戦火から救った話は有名だ。
▲〝力でなく温情に訴える〟…これは仕事を進めるうえで大切な要素の一つである。もし仕事のやり方で部下と対立した場合、部下を力づくで抑え込むことはできたとしても所詮、上辺だけの形に終わって効果はないだろう。本当の意味での納得を得るには徹底した話し合いが必要だ。強権的でなく、お互いが理解し合える温情があって、部下の期待に応えられる。
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