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射界
2019年12月16日号 射界
2020年1月6日
「われ十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順う。七十にして心の欲するところに従えども、矩をこえず」。孔子の言葉で最も有名な言葉と言っていい。ただし、このように十年単位で成長するのは孔子だからできるとも言える。
▲凡人の我らにとって、四十にして不惑や五十にして知命などは夢また夢の話だろう。どうしても人間は楽な方に流れる。戦国時代の武将山中鹿介は「願わくば我に七難八苦をあたえたまえ」と三日月に誓ったというが、このように苦労を買ってでも努力しようとする人は稀有な存在と言えるだろう。しかし、人間は努力しなければ前に進むことはできない。
▲「努力は裏切らない」という。しかし、人気予備校講師として活躍する林修氏は「努力は裏切らないって言葉は不正確だ。正しい場所で、正しい方向で、十分な量なされた努力は裏切らない」としている。もちろん努力を始めなければ意味はなく、「千里の行も足下に始まる」(老子)と言うように努力は始めなければ意味はないし、方向を間違ってもいけない。
▲確かに「学に志す」のは早い方がいい。しかし、「もう遅い」と言って諦めるのは勿体ない。江戸時代に日本中の測量を成し遂げた伊能忠敬が天文・暦学を学び始めたのは50歳のとき。まさに「五十の手習い」を地でいく。「働き方改革」もスタートしなければ達成しない。運賃交渉も同じだ。経営者の努力が会社を前に進める。方向を間違わないようにしたい。
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