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射界
2020年2月3日号 射界
2020年2月17日
日本でも有数のトラックメーカーである三菱ふそうトラック・バス。社名の「ふそう」は、古来から日本の別名として使われてきた。もともとは中国の古典「山海経」によれば、「東方に扶桑という木が生えており、その根源に湯谷がある。太陽はそこから扶桑の木に登る」としている。
▲そこから中国では扶桑を東方をさす呼称とするようになり、日本をさす言葉となった。扶桑という木はとても大きな木であったという。三菱ふそうトラック・バスの社名の由来となった「ふそう」は、昭和7年に旧三菱造船神戸造船所で完成されたガソリンバスが「ふそう」と命名されたことによる。「ふそう」は社内で募集されて当選した愛称だったという。
▲扶桑は実在しない巨木のことだが、実在する花として「扶桑花」と言えばハイビスカスの花のこと。花言葉は「繊細な美」「新しい恋」で、赤いハイビスカスの花言葉は「勇敢」という。戦前に「扶桑」は戦艦の名前にも使われており、古くは平安時代に「扶桑略記」が比叡山の僧侶・皇円によって編集されている。日本にとって馴染み深い言葉と言えるだろう。
▲日本には現在、6万社以上の運送会社があり、それぞれに社名がある。どのような思いを込めて社名にしたのか、そこには創業者の思いが詰まっていると言ってもいい。経営者だけではなく、従業員にとっても社名は特別なものだろう。事業譲渡する場合も「社名だけは残して欲しい」という経営者は多い。自社の社名の由来は知っておきたい。
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